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26.御伽噺にならざる真実 ページ26

俺は彼女を連れ、

 蝶屋敷を出て生家へと向かっていた。
 



「A…と言ったな。傷口はもう痛まないか?」


「少し痛みますが、このくらいへっちゃらです!」




 笑ってそう言うが、無理をしている感じだ。


 

「すまない。俺がもう少し早く来ていれば、

 君にそこまでの怪我を負わせずに済んだのだが…。」



 すぐ近くにいたというのに、不甲斐ないな。



「そんな…気になさらないでください。

 あなたのせいではないですから!

 それから…聞きたいことがあるのですが、

 鬼というのは本当ですか?

 御伽噺でしか聞いたことなくて…」



 そうか…今まで鬼に遭遇せずに暮らせていたのか。




「鬼はいる。君は鬼に襲われたが、記憶にはないのだな。

 奴らは人を喰う。俺たち鬼殺隊は鬼を滅することが責務。

 ただ、鬼殺隊は国の公認の組織ではないから、

 あまり知られていないのやもしれぬな!」



「鬼はどうしたら倒せるのですか?」


 俺は自身の腰に携えている刀を触る。


「鬼はこの日輪刀という特殊な刀で首を切るか、

 陽光に当たれば死ぬ。」




「なるほど…。あまり想像できないです。」



 隣を歩くAを見ると、


 眉を寄せて難しい顔をしていた。



「ははっ!そうだろうな!鬼には遭遇しない方が良い!


 そうだ!手を出して。」



 俺は立ち止まると、


 以前藤の花の家でいただいた


 あるものを彼女に差し出す。



「御守り?」


「ああ、この御守りには藤の花が入っている。

 鬼は藤の花が嫌いだから、鬼避けになる御守りだ。


 持っておくといい。」




「ありがとうございます。」



 Aは礼を言うと、御守りの匂いを嗅いだ。



 その横顔が美しくて…



 思わず息を呑んだ。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!様々な行動の裏の心情が少しずつ見えてくるかと思います!お楽しみくださいませ(*˙˘˙*) (2022年1月8日 13時) (レス) @page43 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 煉獄さんの、自分の心の動きについていけてない純朴さたっぷりの初々しさよ。今日も素敵!一週間のご褒美戴きました! (2022年1月7日 22時) (レス) @page42 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 読んでいただけて嬉しいです!辛く悲しい気持ちがありつつも、彼女への愛は変わらないのです。彼の心情の変化を追いながら物語を楽しんでいただけたらと思います!いつもありがとうございます( ˊᵕˋ ) (2022年1月1日 16時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 大正時代の煉獄さんの心の動きが、はっきり分かりますね!今後、惚れていく訳ですから、読み返すと、更に煉獄さんの辛さが際立ってしまうのでしょうね。今から泣けそう。 (2021年12月31日 19時) (レス) @page34 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 前回コメントしてから時間無く、今日15話。うっわ〜、苦しい。煉獄さんの心情を慮ると、涙。愛を誓った人に知らない人扱いされる絶望感。怖いでしょうに、それでも前を向いて、進もうとするのですね。 (2021年12月31日 19時) (レス) @page15 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年12月13日 19時

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