国立三つ葉異能力学園！！3 (ページ36)

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#110 次の日の朝ページ36

朝

「はいは～い授業始めるよー」

ガヤガヤと騒がしい１年A組の教室にそんな幸成の声が響く。

しかし、そんな声など聞こえて無いのか、一向に収まる気配が無い。
幸成は、嘘でしょ…と半ば諦めた顔でうなだれた。

そんな幸成を見兼ねたのか、
水葉は幸成の代わりに声を張り上げようとするが―――

___幸成は止めた。

普段であれば、頼んでいただろう。それほどまでに、幸成はヘタレだった。

けれど、今日は違った。
驚く水葉に、大丈夫だよと言う意味を含めた、柔らかい笑みを向ける。
その笑顔に、水葉は、何時もとは違い、どこか頼りある姿が見えた。

水葉が見守る中、幸成はたっくさん息を吸った。

「…ッスゥ…みぃぃぃんなぁぁぁ！！！！！！」

「「「！！！？」」」

何事かと幸成の方にバッと首を回す。

「授業するからっ！！！！席ついて！！！！！」

その言葉と、今までではありえない行動に驚くクラスのみんな。
やりきった顔をする幸成を見て、我が子を見守る母親の気持ちに浸りながら、クラスのみんなは、席についたのだった。

「っで～？ゆっきーどーゆー心の変化？」

全員が席についたあたりに、ニヤニヤしながら、彩はクラス全員が思ってるであろう事を代弁する。
そんな彩を見て、照れくさそうに頬をポリポリとかいたあと、呟いた。

「え～へへー……今日は、同級生がくるからね。」
「え、それって、、」

彩が何か言いかけた直後、幸成は壁にかけられた時計を見て、驚愕の表情で叫ぶ。

「って！！？あぁぁぁ！！！？？もう、一時間目10分も過ぎてるよ！？授業始めるね！！」
「……ぁ」
「あ、彩ちゃんごめ、なんか言った？」
「大丈ー夫！」

それは、まさしく今日の午後の授業全てを占める、異能実技に関連する事ではあったが、別にどーでども良い事だし。と、頭の中に浮かんだ1人の人物をかき消す様に、首を振った。

「それなら良いんだけどね……っよっし！！じゃぁ、授業始めるね！」

こうして、何十分遅れで、一時間目は始まった。

「一時間目は、LHR。それじゃぁ、学級委員を決めるよ！」

「「「「いや今更！！！！？？？？」」」

クラス全員の声がハモった瞬間である。