国立三つ葉異能力学園！！3 (ページ20)

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#94 神の使徒ページ20

さてさて、巧様御一行は、音のした、第一音楽室に着いたよう。

どうやらまた、何やら言い合いをしてる様で…

「絶対ヤダ！絶対ヤダ！！ホント無理！！！俺、無理……ヤダぁぁぁぁぁあ！！！」

「大牙うるっさいよ！」

数分前大牙は、音楽室に入れと巧に言われたのだ。その性で今は、キンキン声で、嫌だと叫んでいる。

そんな大牙の頭を、うるさいからと言う理不尽で叩く彩。

スパコーンと言う2次元みたいな音は、夜の校舎に綺麗に響いた。

痛みに悶える大牙に、巧がそっと手を置いて、言い放った。

「そもそも、大牙がワトソンくんなんだから、ホームズの手助けの為に、早く行かないとねぇ～？え？」

いつの間に俺がワトソンになったのと、言いそうになった大牙だったが、その後の状況を想像してしまい、胸に留めておくだけになった。

その代わり、泣きながら頷いた。

「行ってこいよ！ワトソンくん！！」

清々しい程の笑みを浮かべて言う巧。

その手にビデオカメラが無かったら、なお良しだったが。

しかし、大牙は一向にその場を離れない。
恐怖が凄いのか、足が笑っている。

「彩ちゃん」

「オーケーぃ」

巧に呼ばれた意味を、瞬時に理解した彩。

大牙の方に近寄ると、ニコリとした笑みを浮かべて容赦なく大牙の背中を押した。

震える大牙を黙らせ(巧が)、音楽室の扉を捕まらせる。

後は、5人の冷めた視線で一発だ。

「(父さん、母さん、不甲斐ない俺であったが、育ててくれてありがとう。
そして妹よ、色々アレな奴だったが、大好きだったぞ☆

俺は、巧から託されたこの運命を、全うしようと思う。

さらば家族。友達。

俺は、本当の生まれ故郷へと還ろうとおもう

次会う時は来世で

by神の使徒龍翔院大牙)」

この世へのお別れも済ませた大牙は、にこやかな笑みで、音楽室へと入った。

「うわぁぁぁあぁぁぁぁぁぁああ！！！」

どうやら、死んでいなかったらしい