#36 眠気 ページ39
「へい、巧くん!調子はどうだい?」
床でうずくまってる巧に聞く。
「あ、のさぁ…死んでくれないかな?マジで。ウザイ。」
いきなり酷いよ!!
え、え!?
私が驚いてアタフタしていると、巧が死にそうな声で聞いてきた。
「あのさぁ…彩ちゃんは、どうして、そんなに無事なの。」
「…え?無事って、ピアノのこと?
私…歌声は聞こえてないよ?」
「は…?」
ー巧sideー
彩ちゃんがピアノの音が聞こえてない?
僕だって聞こえるのに…?
いや、問題はそこじゃない。
音が聞こえてない彩ちゃんは、倒れていない…
そこから考えるられることは……
…!!
何ですぐに気づかなかったんだろう。
僕は、今にも寝そうな咲夜ちゃんに向かって叫ぶ。
「咲夜ちゃん!咲夜ちゃん!!」
「…え?何?」
「何か、耳を塞げる物を創って!!早く!」
咲夜ちゃんは、僕の意図に気づいた様で、「分かった!」と叫んだ後、異能力を発動させた。
「想像(メイク)!」
異能を発動させた後、咲夜ちゃんの手には、密閉型のヘッドホンが3つ握られており、その中の1つを彩ちゃんが、僕の方に渡してきた。
彩ちゃんからそれを受け取った僕は、すぐに付ける。
すると、徐々に眠気は覚めてきて、視界がハッキリとしてきた。
咲夜ちゃんの方は、彩ちゃんが付けた様で、咲夜ちゃんも意識がハッキリとしてきたっぽい。
彩ちゃんはと言うと、1人ヘッドホンを付けず、ピアノの音に聞き入っている。
ほんと、むかつくなぁ〜
僕達はそんな彩ちゃんを引っ張りながら、音が聞こえない所まで走って行った。
「って言うか、咲夜ちゃんさ、耳塞げるなら、耳栓とかでも良かったんだけど…。」
僕が呆れながら言うと、怒りながら咲夜ちゃんは言ってきた。
「それじゃ、ダサいでしょ!どんな時でも、身だしなみはしっかりとして無いと!!」
「…わぁ。」
「流石咲夜ちゃんですな!!」
ぶれない精神だね。
…そうだ、これ誰の異能力か調べとこ。
読み取る目(アナラーザーアイ)
発動
ピアノを引いているのは、男の子だった。
隣には、歌を歌う女の子。
…そっか、眠らせる異能は、歌声の方だったんだね…。
「巧、何してるの?」
「あっ、ごめん。」
異能を使ってる間は、集中するから周りの音が聞こえなくなるんだよね〜
「さて…これからどうします?」
彩ちゃんが、僕達に向かってそう言った。
7人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅月彩(プロフ) - 千早さん» ありがとうございます!励みになります! (2018年2月15日 18時) (レス) id: 36ed1e2b30 (このIDを非表示/違反報告)
千早 - 面白かったです! (2018年2月15日 9時) (レス) id: 28c0056888 (このIDを非表示/違反報告)
鵲 昴(プロフ) - 佐久間出てきた(笑) (2017年12月3日 20時) (レス) id: 0eb3fb4283 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紅月彩 | 作成日時:2017年11月30日 19時