国立三つ葉異能力学園！！ (ページ38)

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#35 ピアノページ38

戦いながら聞くのもありだね。

何て思いながら、悲願で相手を斬っていく。

微かな音だけど、聞こえてくる、そのピアノの音は、凄く繊細できらびやかで、聞く人にストンと落ちてくるようだった。

あー、戦ってる時じゃなければ、感動して涙を流してただろうな～。

私は、敵の首を、体を、全てを斬っていく。
攻撃の暇なんて与えずに。

その度に、敵の感情が流れてくる。

そしてその感情が、頭の中で消えていく。
悲願が吸収しているから。

斬れば斬るほど、悲願の力は強まって行った。

その時である、

私には見えた。咲夜たちが追って来てるのが。

巧はへろへろで死にそうになってるけど、咲夜は傷なんて気にしていないようで、全速力で。

はぁ…コッチの気持ちも考えて～

「ちょっと！！咲夜たち何で来てるの！休憩してなって！」

咲夜たちに向かって叫ぶ。

そしたら、咲夜から返事が返ってきた。

「ダメだよ！私達も戦う！！」

…あちゃー！

おでこに手を当てる私。

なんとなーく想像はしてたけども…
まーさか、咲夜の正義感がここで発揮されるとは！！

どーしようか…

1人で倒してもいいんだけど、正直、食事はこれくらいで良いって言うか、戦闘は好きだけど、コイツらは相手しても全然楽しくないっていうか、寧ろ2年と戦うように、体力温存してたいって言うか…

うん！

「いいよー！」

そう咲夜の方へ叫んだ。

だって、ほら！雑魚相手はつまんないしね！

「～～♪～～～♪～♪」

「あぁぁぁぁー…♪～♪」

！？

戦っている時に移動していたのか、ピアノの音がハッキリと聞こえてきた。

ピアノに合わせて、(これは…女の子かな？)歌声も聞こえる。

綺麗な声だな～。

ピアノの音が聞こえた途端、敵がバッタバッタと倒れていった。

いきなり過ぎて、固まる私。
すぐに起動したけど。

とりあえず、状況確認という事で、咲夜たちの方へ歩み寄ると、なんとまぁ…！

サヤタチモタオレテタ

びっくりだわ～

地面に、膝をついて、頭を抱えている。

異能力か！とか思ったけど、じゃぁ…どうして私には聞こえないのかな？

でも…多分、理由としては、このピアノとこの歌声なのは確かだ。
どちらかが作用して、きっと、皆をこうしてる。

私が聞いて無いのは…多分。

自分の異能のせいかな？
異能が、音を、排除してくれてるんだと思う。

だって、今は音が聞こえないから、私。

この場をどーしようか考える私

…うーん…巧に話しかけてみるか。