妖もどきと女子高生【恋愛】 (ページ15)

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十三秒ページ15

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刀の波紋に写った己の目を見て、さてどうしてやろうかと思案していると

「あの妖はもう妖狐じゃない‥‥あれこそ、本物の修羅だ‥‥なんであんなのが神職についてるんだ」

野次馬の中からその声が聞こえた

その内容は、少なからず引き金をひく

俺だって好きでやっている訳じゃないというのに、勝手な事を言ってくれるね

「(‥‥神職)」

思い出されるのは、アレ

夜風に当たろうと出たら、無遠慮にも鳥居をずかずかとくぐってきた人間

牽制に刀を投げつければ、惨めったらしく泣き出す始末

ドブ臭い鼠にうろちょろさせられ無いんだよね

眉間を一突きしてやろうとしたのだけど

‥‥邪魔が入ったよね

「何故あの社の地霊が絆されているわけ？」

おまけにあの娘を、安寿が何て言ったと思う？

「笑わせてくれる‥‥安寿もアレも」

何処からあの力を盗んできたか何て知らないけど、アレが社の主人だって？

何年も主がいなかったせいであの二人は頭が可笑しくなってしまったみたいだけど

地霊が怪しい娘にそろってかまけているというのは、気に食わない

安寿が余りにも酷く泣くから、あの場は見逃してやったけど

やっぱり斬り捨てといた方がよかったかな？

「‥‥あ、あの‥‥」

「何？」

汚ならしい格好の妖怪が声をかけてきたので、そちらを見るとガタガタと震えだす

用がないなら、話しかけないでくれる

面倒臭くなって置いていこうとした

＿＿＿その時

ピシッ

「！」

‥‥ビキビキビキッ！

「お、おい！亀裂が入ったぞ！」

「今の乱闘で崩れたんだ！」

瞬く間に広がったその亀裂は、道の向こうへとのびていく

あれしきの衝撃で壊れる訳？

やはり他人の作った物は脆い

踵をかえそうとして、俺は

「‥‥‥」

足を止めた

俺は時廻りじゃない

だから時に干渉する力は使えない

‥‥だけど

一応あの社の守護者とかいう役につけられてるみたいだからね

時の動き。そして歪み程度の物は分かる

「落ちたな‥‥誰か」

微かに歪んだ時の流れに、今がしたの亀裂から誰か落ちた事を覚る

案の定、それは当たりのようで

「おい！亀裂に誰か落ちたってよ！」

「はぁ！？誰かって誰だよ！」

「わかんねぇけど、霊気からするに、落ちた奴の中に混じってたのは地霊じゃねぇかって」

「マジかよ！？なんで地霊がそんなとこにいるんだ！」

眉間に皺が寄ったのが分かった

「‥‥いい加減にしてもらおうか」

人間の小娘風情が、社の地霊をつれ回してたって訳？