妖もどきと女子高生【恋愛】 (ページ11)

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九秒＊女子高生、お仕事ページ11

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小さい頃は、なんでも叶うと思ってた

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『‥‥ん‥‥』

ぼんやりとした視界が開ける

まだ眠い

寝返りをうつと、暖かい布団の感触

あぁ‥‥眠い‥‥

もう少し、このまま‥‥

「A様、起きてくださいませ」

耳に転がり込んだ声に、一気に現実に引き戻された

ガバッ

布団をはねあげ、横を見ると

「「お早う御座います、A様」」

綺麗なお辞儀をする二人の姿

「A様、早速お願いしたく」

『な、なにを‥‥？』

「社を修復する、時廻りのお仕事に御座います」

＿＿＿＿
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「この鳥居に御座います」

『えっと‥‥なにすればいいの？』

「手をかざして、巻きもどれー巻きもどれーと念じて頂ければ」

『アバウトすぎるでしょ！？』

ぎゃあぎゃあと騒ぎながら、鳥居に手を当てる

巻き戻すって言ったって‥‥何を？

私は鳥居を見上げる

朱色の、ぼろぼろにひび割れた鳥居

でも汚れてなくて、まるで磨き込まれているかのように綺麗だった

『‥‥(綺麗)』

もしひび割れてさえいなければ、きっともっと美しいのに

＿＿＿ポウッ

『は！？』

いきなり鳥居が光り始める

な、なにこれなにこれ！？

「A様、手を離してはいけませぬ！」

厨子王に叫ばれて、私はすんでの所で手をつけたままにする

桜色の光がおさまり、現れた鳥居は‥‥

「‥‥成功に御座います」

『な、なにこれ』

建てられたばかりのようにピカピカの新品状態だった

「これこそ、時廻りのお仕事」

「A様、早速次もお願いしとう御座います」

『‥‥‥え？』

「まずは手水鉢！」

「賽銭箱もお願い致します」

「阿吽の像もお清めください！」

「境内は何年も浄化されておりません」

「祠も神気で清めまするぞ」

『‥‥ハァっ、ハァ、うっ』

「なんと！‥‥見違える程に社が‥‥！」

「長かったな‥‥厨子王」

「あぁ、やっとだ安寿！」

『ちょーっと待って！』

連れ回され、消耗しきった体を動かし、二人の頭を掴む

『昨日から色々あって聞きそびれてたけど、此処は何処なの！？貴方たちは、あの男はなに！？やっぱりお化けなの！？」

「落ち着いて下さいませA様」

「そうです。それに私と厨子王は幽霊ではなく"地霊"。そこら辺の霊と同じにされては困りまする」

『地霊？』

「簡単に説明すると、その土地に宿る精霊で御座います」

「私達はこの社を守るため、常に此処を清めて下さるものの補助にまわるのです」

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