妖もどきと女子高生【恋愛】 (ページ2)

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一秒＊女子高生、接触ページ2

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「ほら、給料。お疲れ様」

『ありがとうございます！』

「Aちゃん頑張ってくれてるからねー
ボーナス奮発しておいたよ！」

『ありがとうございます！！！！』

手渡された茶色い封筒を涙目で抱き締める

お金が手元にあるという安心感よ‥‥

それが自分のものだというのも素晴らしい

「んじゃ、お疲れ様ー」

『お疲れ様です！』

ドアを閉め、バイト先を後にしようとする

「‥‥ねぇ店長、あの子大丈夫なんですか？」

背後の声に足を止めた

「Aちゃんって高校生でしょ？もう新学期が始まって一ヶ月ですよ。桜もすっかり葉桜です」

「もう５月かー、でもあの子の希望なんだし‥‥」

「それにしたってちょっと問題じゃないですか？あの子にも将来があるでしょ」

『‥‥』

錆び付いた自転車にまたがり走り出す

いいもん

将来なんてそんなもの、いいですよ！

『私は自力で図太く生きていくんだからー！！』

九条 A 高校一年生

三度の飯より、アルバイトが大事

絶賛一人暮らし中です

＿＿＿
＿＿

『はーぁ‥‥』

公園の自販機で炭酸飲料を買う

あんた最近頑張ってるから、これでなんか飲みなー、と性格イケメンな先輩がくれた小銭である

炭酸ってたまに無性に飲みたくなるんだよねぇ

ギシギシと音のなる自転車を停め、私はベンチに腰を掛けた

『‥‥入学式から一ヶ月、か‥‥』

その一ヶ月、毎日バイトにつぎ込んでしまった

＿＿春休み

私は花の高校生になる前に、家を追い出されてしまった

あ、もちろん勘当とかじゃないよ？

お父さんの借金のせいである

今までエブリデイ貧乏生活だったから慣れてしまってたけど、流石にこの年で一人暮らしするとは思わなかった‥‥

炭酸飲料を喉の奥に流し込む

むせて少し涙がでた

『なによ、お父さんのばかー！！』

ワンワン！！

大声を出せば犬に吠えられる

『‥‥』

目の前で桜の木がさわさわと揺れていた

もうすっかり葉桜で、可愛らしい淡色は何処にも見当たらない

『‥寂しいじゃねーかこんちくしょう』

お花見なんて何年もしてない

今年も桜は見られなかった

私はリア充でもなんでもないのよ

高校にも行けずベンチに一人ポツン‥‥

あれ、これ私寂しい女じゃね？

『うわぁぁあ！そんなの嫌だー！

私だって寂しいのはいやー！！』

でも家に帰ったって誰もいないのよ！

一人なことにかわりないんだから！

‥‥

『一人な、こと、に‥‥』

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