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八秒 ページ9

.

『な‥‥なんで?』

唖然とする私



目の前の男も、僅かに人見を見開いた

確かに刀で斬られた筈なのに!



「あぁA様! 成功なさったのですね!」



いきなり厨子王が飛び付いてきた



「時廻り成功でございます! これで社にも吉が届きましょうぞ」





状況が飲み込めてないの私だけかよ!?

そんなに嬉しそうにされても困るんですけどぉ!?




あたふたしていると、私の腕の中から安寿が顔を出し、男に向き直った





「白夜様‥‥このお方は、正真正銘。時廻りの能力を持っております」

微かに震えながら、安寿は訴えた

「だから、何卒。何卒‥‥」

「‥‥」









チャキッ__





「‥‥分かったよ。今日は殺さないであげる」




妥協したのは意外にも男で、ゾッとするほど冷たい笑みをみせるなり刀を鞘に収めた




「でも、俺はコレを使う気は無いから
早めに出ていってよ。人間」




薄く笑ってそう言うと、男は踵をかえす





「白夜様、何処へ!」

「興醒めした。俺は出るから、その間其処の汚ならしいソレに社を歩き回らせるな」




黒い着物の上に紫の羽織を羽織ると、男はこちらを振り返った





「‥‥死にたくないと惨めに喚く位なら、さっさと相応な場所に帰ってよ?」


フッ‥‥と姿が消える









『‥‥っ』



ガクン




「「A様!」」


緊張の糸が急に切れたせいで、私は膝から崩れ落ちた


怖かった

殺されると思った





今更襲ってきた恐怖とともに、疲労が体をじんわりと覆い尽くしていく






「‥‥A様、今晩は社に泊まられませ」

『え!? いや、私は家に』

「危険です。貴方の通ってきた一本道は、霊道にも似通った通路

行きはよいよい、帰りは怖い

迷えば、妖に喰われてしまうやもしれませぬ」


『泊まらせて頂きます』




流石にもうお化けは勘弁して‥‥


急に襲ってきた眠気と共に、そんな事を考える



「A様、そのまま眠られませ。寝室にはお運び致します」

『いやぁ、私ダイエットしてないから重いって‥‥』

「大丈夫てまございます、こう見えても厨子王は、大木の一本や二本、片手で引き抜けます

人間の女子など、重さの内にも入りませぬよ」



『ひぇぇえ』





見た目どう見ても小学生なのに‥‥

そんな驚きも、眠気に満たされ覆われていく

明日、家に、かえらなくちゃ‥‥ね‥‥






そのまま、意識が遠退いた








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イメ画→←七秒



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ユキ(プロフ) - りんずさん» やった。頑張るじぇ! (2018年8月28日 23時) (レス) id: 42ecbbb834 (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - ザクロさん» 是非是非!そういってくれると嬉しい! (2018年8月28日 22時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ(プロフ) - 私も描いていい?イメ画。 (2018年8月28日 22時) (レス) id: cf0e41908a (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - ユキさん» 了解!いいよ!是非かいて下さい! (2018年8月28日 21時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 白夜さんと夢主を描きたみ…あとザクちゃんのボード足したんでそっちに移行を! (2018年8月28日 19時) (レス) id: 42ecbbb834 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんず | 作成日時:2018年8月25日 22時

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