教師×生徒って有りですか…？ 2. 【桃】

story61. ページ11

◇


『…え、ちょ！もうこんな時間！？』


私は立てかけてあった時計を見るなり勢い良く飛び起きた。現在の時刻は8時34分。
昨日の夜に選んでおいた洋服を乱暴に手に取って着替えていく。お腹は空いているけど、今はそれどころじゃない。


実は今日。るぅとくん、莉犬くん、ころん先輩の三人と遊ぶ約束をしていたのだ。待ち合わせの時間は9時15分。
既に間に合うかどうかは五分五分だ。


寝癖だけ直して私は家を飛び出した。
もう太陽は上っていて、空には大きな白い雲が浮かんでいた。


『…もー、目覚し鳴ったぁ…？』



私は腕に日焼け止めを塗りたくりながらため息まじりに呟いた。

目覚し時計が鳴っていようが、鳴っていなかろうが、私が起きなかったのが悪いのは分かってる。
でも、不満を口に出さなきゃやっていられない。



もう一度大きくため息をつく。


視線を上げれば、たくさんの人混みが。



『…今から私、ここ通るの……？』


ここの通りは有名店が多く、平日・休日問わず沢山の人が行き交っている場所だ。学校に行く以外、基本外には出ないので、今くらいの時間でも混んでいることは知らなかった。


正直こんな道通りたくはないけど、
遠回りをする時間はないし。


決心をして、重い一歩を踏み出したところで、背後から声をかけられた。
振り返ってみれば、よく知った顔が。





ころん「…あれ、A？なんでここいんの？」



そこに立っていたのは紛れもない。ころん先輩だった。
初めて私服を見たが、制服のときとは全然印象が違う。


…なんというか、本格的なチャラ男だ。



『ころん先輩か。なんでって、待ち合わせ場所に行くためですけど。』



私が答えれば、ころん先輩は驚いたような様子を見せながらも、私を小馬鹿にするように言った。



ころん「え？待ち合わせ、昼からになったよ？笑」

『は？』

ころん「知らなかったの？スマホ見てない？w」


先輩に言われて慌ててスマホを取り出せば、確かにその旨の連絡は来ていた。



『…急いで家出たのに…』



◇




公立受かってました！あと卒業しました！
これからは更新頑張ります…！！

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