QuizKnock"ライター"の伊沢です ３

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メモには出ていた候補の割に少ない文字が書かれている。なんなら雑すぎる。

飲み物、お菓子、お酒、おつまみ。お酒も飲み物では……？ 抽象的で雑なメモに首を傾げる。

今はお酒の知識はクイズに活用出来るものしかないので川上さんにお酒を選んでもらっている。

ショッピングカートを持ちながら川上さんの選別を待つ。

既に缶ビールの6缶パックが2つ入れられている。まぁ、あれだけ人数もいれば飲む時は飲むだろう。わかんないけど。

そんなことを考えていると可愛い色をした缶をいくつかカゴに入れていく。これは知ってる。缶チューハイ的なやつだ。

ぶどうとか桃とかの果物だったり梅酒、白いサワーなどの味もある。


川「流石にこんなにあったら足りるやろ」

「じゃあ次は紙皿にコップですね！」


カートの下段にはお菓子におつまみ、ジュース。そして軽食に炭水化物系を少し。

上段にはさっきまで選んでいたお酒。うん、完璧。

メモにはクラッカーやパイ投げなどと書かれているがクラッカーを鳴らすほどでもないし、小さなスーパーには専用のパイは売っていないし買わないことにした。多分怒られはしないと思う。


川「これで終わり？」


紙コップをカゴに入れながら私の持つメモをのぞき込む。


「はい！ メモにはこのくら、い……」

川「ん？ あ、ごめん」


川上さんの方を見て返事をしようと首の向きを変えるとすぐ近くに顔があった。急に声が小さくなった私を不審に思ったのか川上さんもこっちを向く。

バッチリと目が合う。変に意識してしまっているのか顔に熱が集まるのがわかる。


川「赤くなった」


笑いながら川上さんが言う。


「実況しないでください！ わかってますから!!」

川「ごめんて。怒らんで？」

「別に怒ってないです」

川「ホンマに？」


クスクスと笑ったままの川上さんとレジに向かう。レジに着くと私からカートを取り、そのまま会計。私が一言でも言う前にお金を払い終わってしまった。


「川上さん!?」

川「何？」

「お、お会計……!!」

川「あぁ。別に帰ったら皆で割るんやし気にせんで？」


商品を袋に詰めながらそう言う。というか詰めるのもやらせちゃってる。


「なら私が払ってもよかったじゃないですか！」

川「気分的に。あと彼氏が払うもんやろ？ ほら帰ろ」

「かっ、あ、待ってくださいよ！」


カートを押しながら出口へ向かって行く。ナチュラルに荷物も持っていた。

え……川上さんかっこいい……スパダリってやつ……？

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