QuizKnock"ライター"の伊沢です ３

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「熱はありますか？」

川「……さんじゅうななてん、はち」

「中々の高熱じゃないですか」


川上さんの額に手を当てようとしたけど冷えピタが貼ってあることを思い出した伸ばしていた手を頬に当てる。熱い。

熱で私の手が冷たく感じるのか気持ちよさそうに目を細める。猫っぽい……可愛い……。


「もう1個の質問です。食欲はあります？」

川「ん……」


手を離すと私の手を視線で追いかけ寂しそうな表情を浮かべる。風邪ひいて弱ってるとはいえ可愛らしすぎませんか……。


川「……微妙」

「じゃあ一応お粥作ってみますね。台所お借りしていいですか？」


私がそう聞くとゆっくりと頷く。やっぱり相当辛いらしい。

台所に向かおうと後ろを振り向くと手首を掴まれて思わず肩が跳ねる。え、人生でこんなに手首掴まれることあります……？

私の肩が上がったのに気づいたのかすぐに手が離れる。


「……すぐに戻ってきますからね。もう秒です!!」


川上さんの方を向き直り言うと少し口角を上げながらまた頷いた。

風邪をひくとメンタルが弱って一人でいることが寂しく感じてしまうことがある。

……この現象の名前は知らない。名前がついているかどうかもわからない。家に帰ったら調べてみよう。

きっと川上さんも寂しくなり私の腕を掴んだんだろう。

台所に着いたはいいものの鍋がどこにあるか聞いてなかった。多少漁ってしまうことを許して欲しい……。

探す前に電子レンジにレトルトのご飯を入れる。ありがとう佐藤食品工業さん。

鍋を探し終えたタイミングで電子レンジのピピッという軽い音が鳴る。

さて……作り方は知っているけど作ったことの無い料理シリーズお粥を作っていく。

鍋にご飯、水を入れて火にかける。ん？ お湯を沸騰させてからご飯を入れる……？

……どちらでも大丈夫だと信じよう。作り方を調べればいいと思ったけどスマホは川上さんにLINEを見せてから寝室に置きっぱなしにしてしまった。

意気揚々と出てきて取りに戻るわけには行かない。

上にかけられていたお玉でゆっくりと混ぜる。買ってきた鮭フレークを目分量で入れていく。

あまり味が濃いのもだと食べづらくなってしまうので混ぜながら、少量ずつ味見をしながら……。

自分で感じるいい美味しさになったので食器棚からお椀をお借りしてよそう。

あれ、お粥って土鍋とかで作って土鍋ごと持っていくんだっけ……？

不安しかないお粥を持って川上さんが眠っている寝室に向かった。申し訳ない。

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