桑島慈悟郎 ページ36
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中に入ると、桑島さんは
私と善逸くんにお茶を入れてくれる。
どう話を切り出そうか悩んでいると
桑島さんの方から話し始めてくれた。
『 儂に何を聞きに来たのか、正直わかっておる。
お前さんも薄々気付いてはいるかもしれぬが、
この事実を聞いたらお前さんはこの先苦しむだろう。
相当な覚悟が必要だ 』
「 予想はついています。
覚悟もしてきました。大丈夫です 」
私は1人じゃない。
善逸くんがそばにいてくれる。
『 わかった。善逸は席を外させるか?』
「 構いません。善逸くんにも聞いて欲しいので
一緒に来てもらいました 」
『 そうか、わかった。
…お前さんが知りたいのは、両親のことだろう?』
「 え… 」
私のお父さんとお母さんを知ってるの…?
そういえば、桑島さんが着てる羽織も
お父さんらしき人が着てる柄と一緒だ。
「 お父さんとお母さんを知ってるんですか?」
そう言うと、桑島さんはにっこりと笑った。
『 よーく知っておる。
お前さんの父親は、鬼殺隊 元鳴柱 花妃月一郎。
儂の愛弟子だ 』
愛弟子ってことは…
お父さんにとっても桑島さんは
師範になるってこと?
『 鳴柱って…? 』
『 お前と同じ、雷の呼吸を使う柱のことだ。
長い金色の髪で、目は善逸と同じ目の色だった。
羽織は儂らと色違いの茶色。
これがお前さんの父親だ 』
そう言って桑島さんは1枚の写真を見せてくれた。
そこには、笑顔で写る
桑島さんと
夢で見たお父さんとお母さん
そして…小さな赤ちゃん。
『 俺じゃん!』
バシッッ!!
『 お前は黙っておれ!!』
『 うぅ… 』
自分にそっくりな姿に驚く善逸くん。
そんな善逸くんに
1発平手打ちを食らわせる桑島さん。
「 この人… 」
夢で会ったお父さんと同じだ。
やっぱり、私のお父さんだったんだ…
じゃあ隣のこの人はお母さんかな。
同じように、夢で会ったお母さんとそっくりだった。
『 その様子じゃ、記憶の中で会っておるな?』
「 はい… 」
『 月一郎は本当に腕のいい剣士だった。
努力もしていたが、才能もあった。
剣士になって2ヶ月で柱まで上り詰めた程にな。
そして、誰よりも誰にでも優しかった 』
にこにこと笑って写っているその姿は
優しい笑顔で 心が暖かくなる。
あまりにも善逸くんにそっくりで
なんだか嬉しくなった。
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mini(プロフ) - stereogirlさん» コメントありがとうございます(T_T)!更新頑張ります!! (2020年4月20日 21時) (レス) id: 91678dce2b (このIDを非表示/違反報告)
stereogirl(プロフ) - 強い女子と善逸くん、大好きな組み合わせです(笑)続き楽しみにしてます! (2020年4月20日 19時) (レス) id: ebd32c96af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年4月12日 20時