生きて償え ページ39
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結局、戦いは私たちの圧勝。
誰も死ぬことなく終わった。
『 じゃあ、身柄は春雨で預かるヨ 』
「 うん、よろしくね 」
手錠で繋がれ、神威の船に乗せられていく。
『 派手にやってくれたなァ、このスットコドッコイ!!』
『 大丈夫だよ、トップは俺だからネ。
誰にも怒られないヨ 』
『 ったく……早く乗れ団長 』
少し会わない間に神威は
春雨のトップにまでのし上がってたのか…
幼なじみ、恐るべし。
『 A 』
「 …もう、行くの?」
『 ごめんネ…そろそろウチの部下に怒られちゃう 』
" へへっ " と眉を下げて笑った。
「 助けてくれて、本当にありがとう 」
『 Aの為なら何処へだって行くヨ 』
神威の片手が、私の頬を包む。
『 好きだよ、A 』
「 え………んっ…… 」
神威の唇が、そっと私の唇に触れた。
『 また会いに来るヨ、A 』
そう言って手を振り、神威は船の中へ入っていった。
あまりに突然の事に、身動きが取れないでいると
後ろからドスッと誰かに蹴られた。
「 はぁ!?何すん……総悟… 」
『 親父に一言掛けてやれ 』
総悟の目線の先には
船に乗り込もうとする奴の姿が見えた。
「 待って…!!」
咄嗟に声を掛け、駆け寄った。
『 A… 』
「 私、貴方のことは許しません 」
『 … 』
「 でも…生きてください。
生きて罪を償う。それが私とお母さんへの償いにもなる 」
死ぬ事で償いなんてさせない。
そんなのきっと、楽だから。
そんなのきっと、お母さんが悲しむから。
『 っ……ごめん、ごめんなっ…ありがとうっ… 』
「 じゃあ、またどこかで 」
これでよかったのかはわからない。
でも、少なくとも
お母さんの想いが少しは晴れたんじゃないかと思う。
「 あれ、どこ行くの 」
何故か前から総悟が歩いてきた。
奴らの方に向かっていく。
『 野暮用でィ 』
それだけ言うと、そのまま行ってしまった。
まぁそのうち戻ってくるかと思って
私はみんなの元へ走った。
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『 おいおっさん 』
『 …君はAの… 』
『 Aの事は心配すんな。
俺が必ず守ってやる 』
『 そうか…頼んだぞ。幸せにしてやってくれ 』
『 あたりめーでィ。
誰よりも幸せにしてやりまさァ 』
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迷い猫 - "里ゴリラ"のところ" 店長ォォになっていますヨ (2021年9月21日 18時) (レス) @page43 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ - 初めまして!めちゃくちゃ内容大好きです!キュンキュンしちゃいました笑笑これからも応援してます!この小説にあえて良かったです! (2021年7月31日 22時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - 金平糖さん» ありがとうございます!!すごく嬉しいです(T_T)!更新頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2021年1月8日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 最高に面白かったです!夢主ちゃん編も、すごく楽しませてもらってます!お父さんがまさか生きてたなんて!?びっくりしましたけど、最高の展開です...!毎回、更新楽しみにしています!!どうかお体に気をつけて下さいね!次回も面白い更新待ってます! (2021年1月7日 0時) (レス) id: a3c6f82ac9 (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - マカロニさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!!そのお言葉だけで頑張れます!! (2020年11月17日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年11月3日 21時