半夜兎の舞姫 2【沖田総悟】

知らない癖に ページ27

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『 …厄介なもん持ち込んでくんじゃねェよ。
こんな小娘、テメェらで処理すりゃいいだろ？めんどくせェ 』






結局、この女の保護は万事屋に頼もうと
旦那の元へ訪れた私達。






『 霧江さんって言いましたっけ…
貴女のその…亡くなったお父上って、
攘夷浪士かなんかじゃないんですか？』






メガネくんの言葉に、女はポツポツと話し始めた。

どうもこの女、六角事件で死んだ
六角宗春の娘らしい。






『 一つだけ言えることは
俺がやったにせよそうでないにせよ、
んなとこでもたくさやってた
どんくせェコイツの親父が一番悪いってことでさァ 』


『 貴様ァァァァ！！！』






怒りで興奮する女をメガネくんが抑える。

そんな中、総悟は気にも止めずに立ち上がったので
私も後を追う。






『 貴様がっ…貴様が父上を殺したんだ！！』






あの事件は、総悟があの男の事を思って
あの男の家族の事を思って報告書まで偽装した。






『 絶対…絶対貴様を殺してやる！！』






わざとキツイ言い方をするのもこの女の為。

それなのに＿＿＿＿＿＿






『 殺してやる！！絶対父上の仇をっ…「 黙れ 」


『 Aさんっ…！』






いつまでも騒ぎ立てる女に我慢出来ず、私は刀を女に向けた。






「 何も知らない癖にギャンギャン騒いでんじゃねぇよ糞ガキ。
次総悟に手出してみろ…

＿＿＿＿＿＿構わず私が殺すから 」


『 っ… 』






一気に女は黙り込んだ。

人の気も知らないで
自分のことばかり棚に上げる奴は大嫌い。


総悟に手を出すなら、誰であろうと許さない。






『 おいA、早くしろィ 』


「 …今行く 」






総悟の声に、私は刀を鞘に収めた。






「 旦那、邪魔したね 」


『 この借りはデートで返せよ 』


「 はいはい 」






適当に返事をして、総悟と共に万事屋を後にした。






『 …私、あんなA初めて見たヨ 』


『 僕らには一度も向けたことの無い顔でしたね… 』


『 " 何も知らない癖に " ねェ… 』







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