ご褒美の前借り ページ22
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無事にトシが妖刀の呪いを打ち破り、
" 鬼の副長 土方十四郎 " が戻って来た。
______ だけど…1人、足りない。
「 お兄ちゃん…! 総悟は…!?」
『 っ…… 』
私がそう聞けば、苦い顔をしたお兄ちゃん。
「 そんな… 」
最悪の事態を想像した私は、
立っていることが出来ずに膝から崩れ落ちる。
次の瞬間、離れていた車両が私達の方へ突っ込んできた。
パトカーと車両の間にトシが入って、
なんとか衝突は回避。
「 トシ…!」
『 死ぬわけねぇだろ!
あの総悟だぞ!簡単に殺られるような奴じゃねェ!
Aが諦めてどうすんだ!』
トシがそう怒鳴った途端、
その車両のドアを誰かが蹴り飛ばした。
『 …近藤さん、さっさとこっちへ移ってくだせェ。
ちぃと働き過ぎちまった…
残業代出ますよね、これ… 』
「 総悟っ… 」
そこには、ボロボロになり
立っているのもやっとといった様子の総悟がいた。
トシを踏んづけて慌てて駆け寄れば、
総悟はヘナヘナと座り込む。
「 っ……バカ… 」
『 はっ……死んだと思ったか?』
「 …怖かった… 」
ボロボロと泣き始める私を見て、
総悟は " フン " と鼻で笑って 私の頭に手を置いた。
『 テメェ置いて死ねるわけねェだろ… 』
「 っ… 」
そう言って、私の頭を自分の方へ引き寄せた。
暖かい体温に総悟の匂い
そして…耳に響く心臓の鼓動。
" 総悟が生きてる " と実感して
戦いの最中だというのにひどく安心してしまった。
「 バカっ…本当に…バカ総悟っ…!」
『 …ひでぇ言われようだな 』
抱き寄せる力が強くなったと同時に、
頭に何か触れた感覚とリップ音が。
慌てて顔を上げると、
目の前にはニヤリと笑った総悟の顔。
「 なっ…… 」
『 …ご褒美の前借りでさァ 』
身体はボロボロなくせに、
言う事はいつもと変わらない。
そんな総悟に、私はいつもやられっぱなしだ。
『 …今ってなんの時間アル 』
『 双子の感動の再会だ!』
『 目ェ腐ってんのか、このクソゴリラ 』
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迷い猫 - "里ゴリラ"のところ" 店長ォォになっていますヨ (2021年9月21日 18時) (レス) @page43 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ - 初めまして!めちゃくちゃ内容大好きです!キュンキュンしちゃいました笑笑これからも応援してます!この小説にあえて良かったです! (2021年7月31日 22時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - 金平糖さん» ありがとうございます!!すごく嬉しいです(T_T)!更新頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2021年1月8日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 最高に面白かったです!夢主ちゃん編も、すごく楽しませてもらってます!お父さんがまさか生きてたなんて!?びっくりしましたけど、最高の展開です...!毎回、更新楽しみにしています!!どうかお体に気をつけて下さいね!次回も面白い更新待ってます! (2021年1月7日 0時) (レス) id: a3c6f82ac9 (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - マカロニさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!!そのお言葉だけで頑張れます!! (2020年11月17日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年11月3日 21時