半夜兎の舞姫 2【沖田総悟】

スパイって響きはちょっとカッコイイ ページ16

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「 もー！！トシの奴、どこ行ったの… 」






トシを追い出すなら私も出ていくなんて
大口叩いたはいいものの…

トシを見失ってしまった。






「 万事屋にいるかな…んー、でも旦那と仲悪いし… 」






なんて考えていると、私の携帯がブーブー音を立てた。

ディスプレイに表示された名前は
今最も話すのに気まずい男。


" 総悟 "






「 …もしもし 」






無視してもしつこく掛かってきそうだったから
仕方なく出る。

ビンタした直後で私的には気まずすぎる。






《 あ、出た 》


「 切るよ 」


《 あー痛てぇなァ、
誰かさんにビンタされた頬が痛てぇなァ 》


「 ……それはごめん 」






ビンタされた直後だっていうのに
通常運転過ぎてこっちが戸惑ってしまう。






《 …土方の野郎は 》


「 え…トシなら今探してるとこ。
ちょっと見失っちゃって… 」


《 早く探し出せ。
見つけたら側を離れんな 》


「 何、言ってんの…？」






急にトーンを落として真剣な声色になった総悟。
私にも緊張が走る。






《 …今周りに誰かいるか 》


「 誰もいないけど… 」


《 俺も怪しまれちまうから単刀直入に話す 》






少しの間の後、総悟の口から
とんでもない言葉が飛び出した。






《 伊藤の野郎は 近藤さんと土方の野郎を消すつもりだ 》


「 え… 」


《 恐らく、土方側に付いたAも消すつもりでさァ 》






伊藤が、私達を消す…？






「 ちょっと待ってよ…私、状況が…《 気を付けろ 》


「 えっ… 」


《 いつ襲われるかわからねェ。
不本意だが、土方の野郎連れて旦那達の所にいろ。

それが一番安全でさァ 》






さっきから総悟の言ってる事が
イマイチ理解出来てない。

だって総悟は伊藤側に…






「 そ、総悟はっ… 《 俺は大丈夫でさァ 》


《 隊長ナメてんのかィ 》


「 っ… 」


《 また連絡する 》


「 総悟っ… " ブチッ "






最後に呼んだ声は総悟には届かず、
" ツーッツーッ " と無機質な音が耳に響く。


てっきり総悟は副長の座が欲しいが為に
あんなやり方をしたと思ってたけど…






「 ごめん、総悟… 」






トシの為に、真選組の為に
悪役を買ってでてくれたんだ。

それなのに私は総悟にあんな事…



総悟が真選組を護ろうとしてるなら、
私はこっちでしっかりとトシを護らなきゃ…






ギュッと携帯を握りしめ、
私は万事屋へと急いだ。









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現実から目を背けたくなる事もある→←変わってしまった真選組

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