いけ好かない野郎は嫌いです ページ12
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「 んー…どうしようどうしよう… 」
翌朝、いつも通りの朝のルーティンをこなして
最後に総悟を起こしに来たんだけど…
「 どんな顔して会えばいいんだ… 」
私は寝ている事になっていた昨日のキス。
なんでキスしたのか気になって仕方ないし、
キスされたのに普通の顔していられない!!
なんて考えながら数十分、
総悟の部屋の前で行ったり来たりしていた。
『 …何してんでィ 』
「 うぇっ!?」
すると、部屋でまだ寝ていると思っていた総悟が
向こう側から歩いてきた。
「 きょ、今日は早いね… 」
『 あぁ、今日は朝からこれ貰ってきたんでさァ 』
そう言いながら、新品の刀を見せる。
______ じゃなくて!!
キスしたくせに普通すぎんでしょ!
もっとこうさ、ちょっと照れるとか
顔赤くなっちゃうとか無いわけ!?
『 Aも行ってこいよ。
テメェなら良いやつ貰えんだろ 』
総悟の中に " 照れる " という言葉は
存在しないらしい。
「 へぇ…新しい刀か…
でも私、この刀気に入ってるしなぁ 」
『 ここに来た時からずっとその刀じゃねェか。
いい加減新しいのにしろよ 』
「 だって思い入れあるんだもん。
お兄ちゃんがくれた刀だし 」
私が使っているこの刀は、
真選組になった時にお兄ちゃんが私にくれたもの。
花形の鍔に、柄は薄紫。
私は女だからって少し軽く作ってくれてある。
この刀で何人もの人を斬ってきたけど、
逆に言えば 何人もの人を守ってきた刀でもある。
何よりデザインが気に入ってる。
『 まぁ、無理にとは言わねェが
" あの人 " に挨拶だけはしに行けよ。
Aに会いたがってた 』
「 あの人って… 」
『 帰ってきたんだよ、ウチの参謀が 』
" 真選組 参謀 " という新しい役職に就いたあの人。
お兄ちゃんはすごく重宝してるみたいだけど、
なんかいけ好かない野郎で私は嫌いだ。
『 Aさん 』
後ろから声を掛けられ振り向くと
そこには今話題に上がった " あの人 " が。
『 ……久しぶりだね、会いたかったよ 』
「 伊藤さん… 」
コイツの帰還が、波乱の幕開けだったことに
私たちはまだ誰も気付かなかった。
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迷い猫 - "里ゴリラ"のところ" 店長ォォになっていますヨ (2021年9月21日 18時) (レス) @page43 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ - 初めまして!めちゃくちゃ内容大好きです!キュンキュンしちゃいました笑笑これからも応援してます!この小説にあえて良かったです! (2021年7月31日 22時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - 金平糖さん» ありがとうございます!!すごく嬉しいです(T_T)!更新頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2021年1月8日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 最高に面白かったです!夢主ちゃん編も、すごく楽しませてもらってます!お父さんがまさか生きてたなんて!?びっくりしましたけど、最高の展開です...!毎回、更新楽しみにしています!!どうかお体に気をつけて下さいね!次回も面白い更新待ってます! (2021年1月7日 0時) (レス) id: a3c6f82ac9 (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - マカロニさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!!そのお言葉だけで頑張れます!! (2020年11月17日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年11月3日 21時