Episode27 / ピアニスト ページ27
旅団員は私に任せる気満々なのかそこから動かずに、それぞれが纏を行う。
万が一味方にかかっちゃったらやめればいっか。
「なんなんだてめぇらさっきから!!」
するとさっきまで静かだったフロアが1人の野次からどんどん騒がしくなっていった。
『うるさいなあ、ちょっと黙ろうよ。せっかく私が弾いてあげるんだから。』
私は自分の目の前で浮くピアノの鍵盤に手をかけた。
『
最初は1音ずつゆっくりとした準備体操のような曲。
「な、なんだ!身体が動かない!!」
まずは身体の動きを奪わなきゃ。
『んー、みなさんはどんな曲がお好みかなー。あ、この曲なんてどう?』
私が弾くのは、出血でなくなる寸前にかかれた曲。
病気の苦しみが綴られた歌詞はとても涙無しに読めたものではない。
『この曲の作曲者は出血多量で死んじゃったんだって。今のあなたたちみたいに、全身から血が吹き出しちゃったらしいよ。』
目の前の人間たちは、目や鼻、耳や口といった所から大量に血を流している。
「や、やめてくれ!助けてくれえぇえ」
『うん、まだ大丈夫だよ死なせない。今日は私の実力発表会なんだって!ならもっと派手にやらなきゃ!』
きっと私は今酷い顔をしている。残虐を愛し、愛される私。いつもと性格が違う?これも人格の1つ?
いいえ、違う。この性格もまとめて全て私。
『次の曲はね、とある人形たちの話だよ』
次に弾き始めたのは、狂ったような曲調の曲。
そしてその数秒後、床から巨大な人形達が出てきたのだ。
どれもボロボロのそれらは、人を見た瞬間に襲いかかった。
『この子達はみんな人間に捨てられたんだよ。恨みを持っているから、私の弾く音に誘われてしまった。』
悲しい、悲しい曲。
きっとこの曲が、人形達にとっても、そこら辺で人形に殺された人間にとっても、
私が最後の1音を引き終わった時、立っているものは誰もいなかった。
長いように感じられた5分の出来事。
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あやは(プロフ) - 明里香さん» ご報告ありがとうございます!すごく助かりますー!すぐに修正しますね (2019年11月6日 21時) (レス) id: dd6fe59e82 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 40話にも誤字がありました。「以上な」ではなく、「異常な」です。 (2019年11月6日 20時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 5話に誤字がありました。「以上」ではなく、「異常」です。 (2019年11月6日 17時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろりお | 作成日時:2019年7月12日 23時