航海日誌9 ページ10
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『……ん、ふあー…ぱぱ？』
翌朝、のそっとベッドから起き上がったAは、部屋を見渡して誰もいないことを確認すると、眉を垂らして泣きそうな顔をした。
『ぱ、ぱ』
高いベッドから、転がるように降りて、小走りで部屋の扉へと向かった。
が、一般成人用より少し大きめの人ように作られたこの船の扉を、Aは開けることが出来なかった。
どんどん、と戸を叩いてみても返ってくるのは虚しい静寂のみ。
他の子よりもしっかりしていようが、一人で生きてきていようが、少女はまだ4歳。
下唇を噛んで、その場に座り込んだ。
脳裏に浮かぶはひと月前のこと
＊＊
ひと月前までのAは、至って普通の、穏やかな暮らしをしていた。
特別裕福なわけでもないが、貧乏なわけでもなく、家族3人暮らすには十分な広さの家に住んでいた。
比較的、住んでる世帯数は少ないが、気候よし、環境よしの島、シャアーラン島
そして、その島の端っこにあるのは、Aたち家族だけが住むモアナ村
それが、Aの生まれ育った場所の名だ。
その日も、変わらない夜のはずだった。
『まま、えほんよんで！』
｢いいわよ。どれがいい？｣
どこにでもある母と子の会話
Aが絵本を選ぼうと本棚とにらめっこしているのを母、シロノは微笑ましく見つめていた。
しかし、外がだんだんと賑やかになり人の怒鳴り声が響いた。
｢……ら！……っち、…てい｣
外から聞こえてきた声に、肩を揺らすシロノ。
ベッドに腰かけていたシロノはばっ、と立ち上がると窓に駆け寄って外を覗いた。
｢意外と……早かったわね。｣
『まま？』
｢A…ごめんね。今日は隣の村の、ナルセ君のとこに泊まれる？急にね、ママとパパの、昔の友達がここに来ることになったの｣
こうAとやり取りしている間にも、外の騒がしさは大きくなっていく。
そして、Aの部屋の扉が勢いよく開いた。
｢シロノ……急ごう｣
｢ええ、すぐ行くわ｣
Aの父親、アスタが部屋に入ってきたのだ。
Aが話しかければ両親は笑ってくれるが、どことなく険しい表情を隠しているような。
Aは、否、人狼は人の感情に敏感な分、何かを察したA
『まま……嘘ついちゃ、いや…。外のひと、あぶないひと？』
｢…！！…A｣
シロノはAをきつく抱きしめた。
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ギザラス(プロフ) - テスト頑張って そして無事戻ってきてください (2020年7月2日 0時) (
レス) id: 1fe190bcff (このIDを非表示/違反報告)
果耶(プロフ) - テスト頑張っください！ (2020年7月1日 21時) (レス) id: ca4e14c205 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - オリ主ちゃんが可愛くて最高です(笑) 更新大変だとは思いますが、無理せずに頑張ってください。応援してます！！ (2020年6月30日 20時) (レス) id: 151caa4874 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか？ (2020年6月15日 20時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ろりお(プロフ) - コクマさん» めちゃくちゃ嬉しい褒め言葉！！頑張ります〜！ (2020年6月15日 20時) (レス) id: 38c94b38d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白米 | 作成日時：2020年4月2日 0時
