Episode183 ／ 見えない壁 ページ36
『ゴン、キルこっから先はやめとこうよ』
私がそう声をかければ、キルは怒ったように叫んだ。
｢行くぜ、行ってやる！｣
ゆっくりだけど、確実に一歩一歩進んでいくゴンとキル。
『ねぇ、一旦引こうよ！』
私の言葉なんて聞かなかった。
｢おい！一体誰だ！？そこにいるやつ出てこいよ！！｣
その声に応じるように、曲がり角から姿を現したのは係の女の人。
女の人はこのフロアの説明をし始めたが、今のゴンとキルには聞く余裕はなさそう。
｢この殺気…あいつかな｣
｢分からねぇ｣
あんな可愛いお姉さんが殺気出してたらこわいって。
その時、曲がり角からすっとヒソカが出てきた。
｢どうしてお前がここに！？｣
｢別に不思議じゃないだろ？ボクは戦闘が好きでここは戦闘の中心地だ♠｣
そう言ったヒソカだが、その後すぐにストーカーしていたことを明かした。
ゴン大好きかよあいつ…。
｢ここの先輩としてキミたちに忠告しよう♥｣
｢このフロアに足を踏み入れるのは、まだ早い♠｣
そう言うと同時にヒソカは、あっち行けのジェスチャーをした。
すると私より前にいた二人が、吹っ飛んだ。
今じゃ、私の後ろに二人がいる。
｢ざけんなっ！せっかくここまで来たのに…｣
吹っ飛ばされてもなお、キルはヒソカの元へ立ち向かおうとした。
しかし…
｢通さないよ♠ってか通れないだろ？｣
ヒソカは廊下の先に座り込んだ。
そしてオーラを強くした。
ヒソカが�狎弔げ娘足瓩鮗�分で摘むことはないだろうけど…さすがに2人の体がやばい。
仕方なく、私は自分のオーラで二人を包んだ。
｢…なんだ、よ。これ｣
｢急に暖かくなった…ような？｣
当たり前だ。私のオーラで包んでるんだからね。
｢何かわかんないけど、これで、進めるっ…！｣
『いやいやいや、一旦引こうって！』
これ以上進むって言うならオーラ消すよ！？
私でもわかる。このフロアには念能力者しかいない。
そんな中でゴンやキルが受付したって怪我するだけ。最悪の場合死に至る。
だから、ヒソカが行かせないつもりなのは私だって有難い。けど…二人とも頑固だから。特にゴンは。
気を失ってでも先に進もうとするだろう。そうなるのは私が耐えられない。
2人の腕を引っ張って止めようとするが、二人の力はえぐいくらい強い。
仕方ないよね？不可抗力だよね？
私は2人に向かって大声で叫んだ。
『…だからこれが念なんだって！…教えてあげるから一旦引こうよ。』
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年8月17日 22時
