目隠し少女と盗賊団 (ページ38)

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Episode137 ／仕返しページ38

襲ってくる気配はないし、向こうから手を出してくるまで放置しておこうと適当に歩く。

100メートルほど向こうに拓けた場所があるから、そこで敵を誘き寄せようと目指した。

誰かいる…。

どうやら先客がいるようで3人ほどの気配がする。

ひとつはヒソカだ。忘れないぞあの気配は。

もうひとつは…ゴンかな。隠れてるし、ヒソカはまだ気づいてなさそう。

残りは分からない。男ってのはわかるけど。

もしかして、ゴンのターゲットはヒソカ…？

手伝ってあげたいけど、ゴンは絶対に頷かないし。

ヒソカはまだゴンを殺すはずはないけど、殺そうとすれば止めさせてもらおうか。

いや、その前に今私がヒソカを殺る。

目隠しを捨てた恨み…晴らす！

ベンズナイフを構えて殺気を隠し、ヒソカの背後に回って首を回し蹴りで蹴った。

｢ん～♥やっとボクとやる気になった？｣

私の蹴りが当たる瞬間に私の背後へと移動したヒソカは、首元にトランプを当てながら言う。

『…絶対やだ。というか文句言いに来た』

｢あァ…♦あの時のことは、ボクも悪いと思ってるよ♥｣

『嘘つけ』

そう言ってベンズナイフをヒソカに向けて振る。

が、当たり前に当たらない。

念を使えばヒソカはより強い自信はあるけど、私の念は私の実力ではないと私は思ってる。

団長と戦った時とか、今まで私が使ってきた発は、蜜月の特典だったり、私の別の人格や性格でしか使えなかったりするから。

ここだけの話、私は自分の発を持ってないのだ。

身体能力だけの勝負では、目隠しをしている状態なら負ける。

｢ボクは今ここでキミとやる気はないんだ♠｣

『だから私もやるつもりないから。ただ一発殴らせて』

ベンズナイフを服の下に戻してから、拳を握る。

｢……はいはい♦｣

返事を聞いてから私はヒソカの顔面目掛けて殴った。

ちょっと仰け反っただけのヒソカが腹立つ。

『あーあ。もういいよ、これでチャラね。』

そう言って立ち去ろうとすると

｢今度は本気で戦おう♥｣

との声が聞こえて鳥肌が立った。

戦うつもりないから！と叫ぼうと振り返ると既にヒソカの意識は違う方へと向いていた。

ゴンの場所がバレた？

背中をつーっと冷たい汗が伝う。

今ここで退散するのはあんまり良くないと判断し、端っこの方で動向を見ることにした。

ヒソカの呼びかけに対して出てきたのは、ゴンではなくもうひとりいた男だった。