目隠し少女と盗賊団 (ページ12)

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Episode111 ／変態の仲間入りページ12

円を大きく広げて受験者たちの場所を探す。

ん、南にあと3キロほどかな

霧が多いと他の人たちが嘆いていたが、目の見えない私にとって、湿原はジンと修行した山と同じ感覚だ。

障害物を避けながら、集団の元へ行くとまだゴンとクラピカは着いていないようだった。

｢…A♥｣

『…なにヒソカ』

一瞬の殺気を感じてそっちへ行くと、ねとっとした視線を直に感じる。

｢殺りたい、って顔に書いてある♥｣

『お前と一緒にしないでよ変態』

内心冷や汗をかいていた。

ヒソカの言う通りだ。湿原の中は元いた場所よりも濃い血の匂いがした。

｢事実だろう？｣

そう言うヒソカに背中を向けて私は距離を取るべく離れる。

『今だけだし』

そう今だけ。私はちゃんと性格も操作できるようにするんだ。

変態の仲間入りなんて絶対やだ！

｢A、ゴン来たぜ｣

後ろからキルに声をかけられて、瞬間的に私は跳び後ずさる。

『び、びっくりした…急に話しかけないでよー』

笑いながらもキルから距離を取る。

だいぶ落ち着いたけど…念の為

｢あー、悪ぃ。行くか？｣

『んー、ちょっと用事があるから…ごめんねキル』

嘘だけど。

ゴンの所へ向かったであろうキルを見届けて、私は二次試験会場の扉の前で待機することにする。

文字は見えないけど、他の受験者が12時からスタートみたいなこと言ってたし、もうちょっとかな

そのとき、ギギィ…と扉が開いて謎のぐるるるる、という音がより鮮明に聞こえた。

なんの魔獣だろ…この音

それがブハラの腹の音と気づくまであと少し。