目隠し少女と盗賊団 (ページ11)

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Episode110 ／試験官ごっこページ11

｢レオリオ！！｣

｢ゴン！｣

レオリオの所へ走っていってしまったゴンをキルが引きとめようとするが…彼はそんなことでは止まらない。

｢…お前も行くのかよ｣

ゴンが掴んでくれていた手を今度はキルが掴む。

私を導くように、引き止めるように。

『んー…ごめんね、キル。ヒソカのストッパーしなきゃ』

掴まれていない方の手でキルの手をそっと離す。

｢…ちっ、勝手にしろよ｣

そう言ったキルに本当に申し訳なくなって、もう一度ごめんね、と呟いてゴンが走っていった方へと駆けた。

ゴンの姿を霧の中に見つけて、身を潜める。
ゴンの視線の先には、レオリオを後ろから攻撃しようとするヒソカ。

そして竿を振った。

見事に竿の浮がヒソカの頬に直撃したらしい。

ちょっとざまあみろ！って思ったのは私だけの秘密だ。

｢やるねボウヤ♣｣

一歩、また一歩とゴンに近づいていくヒソカ。

本当にやばそうになったら出ていこう

｢それ釣り竿？面白い武器だね♥ちょっと見せてよ♦｣

｢てめェの相手はオレだ！｣

ゴッ、と生々しい音があたりに響いた。

その隙にゴンがヒソカに攻撃を仕掛けて逆に捕まってしまった。

｢…っ｣

じたばたと首を絞められながら藻掻くゴンを助けるべく、私は絶を解いてヒソカにナイフを投げる。

『…そろそろストップだよ、ヒソカ』

｢キミが相手してくれるかい？｣

『ばーか』

軽々とナイフをキャッチして、ゴンをから手を離したヒソカは私にナイフを投げ返した。

『大丈夫？ゴン』

咳き込みながらも私に頷くゴンに安心してレオリオの元へ行く。

うん、大丈夫そうだ

｢安心しなよ♥彼は合格、殺しちゃいないよ♠｣

ゴンは放心状態らしく、何も言わずただただヒソカの動向を見ているようだった。

｢うん！君も合格♥良いハンターになりなよ♣｣

そういったヒソカの携帯が鳴って、彼はレオリオを担いで霧に消えてしまった。

『ゴン、私も先行くね』

そう言って私も霧に身を隠す。

ヒソカとの関係でも聞かれたらめんどくさいこと極まりない。

それに、血の匂いを嗅いだせいで少なからず誰かを殺りたい衝動に駆られる。
一緒にいたら手違いで殺ってしまうかもしれない。

不便な体だ。

私の体で意思もあるのに、私のものではない感覚が沸き起こる。

きっと私の性格のうちの一つなのであろう。

中途半端に性格が変わってしまうのは嫌でしかない…もう諦めたけど…

私は人格以外を操作できないから。