第五十五話 ページ10
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『別に、何も考えてないですよ…ははっ、大丈夫です』
一瞬自分の考えを見透かされたことに、心臓が跳ねたが平静を取り繕って笑う。
そうしたら、余計睨まれた挙句、舌打ちと共に
「気持ち悪ィ」
と暴言を吐かれた。
一生懸命(?)笑った私の笑顔に文句つけやがったあのスケベおはぎ柱
自分の顔が悪いことなんて知ってますけど流石に直で気持ち悪いなんて言われたことは初めてですよ??
少々イラってしたので、思いっきり脛蹴ってやりました。
「テメェ……殺す」
『ひっ…殺されたくはない!!!』
結構全速力で逃げた私ですが、一瞬で捕まって首根っこを掴まれ引きずられながらスケベ柱のおはぎ屋敷……『痛っ』
んんん、風柱の不死川屋敷に連行されました。
今日は一人になりたく無かったから、実は連れて帰ってくれて嬉しい。
布団の中で、そんなことを考える。
馬鹿でかい屋敷なのに、同じ部屋で寝てくれるあたり、不死川さんなりの気遣いなんだろう。
この、温かさが心地よい
失った温もりは、もう二度と帰ってこないから…。
…ツンデレで、実は優しい不死川さん、結構好きなんです
まぁこんなこと言ったら、お空の上から見守ることになるので言いませんが。
口が裂けても。
**
同時刻 / 蝶屋敷
「怖いよ…。またAちゃんが襲ってくると思うと…」
「大丈夫です。彼女は今不死川さんに監視されていますからね。もう寝たほうがいいですよ」
(……不死川さんと場所変わりたいです、ええほんと切実に。)
監視、という名目でAと一夜を共にしている不死川に胡蝶の怒りはMAX。
この日の事件は冨岡により、柱全員と、御館様こと、産屋敷にも伝達されていた。
皮肉が籠った一文とともに。
ーー「俺が女を胡蝶の屋敷に運んでいる間に、不死川がムフフしながらAを抱えて走り去って行った。許し難い。」ーー
だからというか、
他の柱も似たような感じだ。
長くなるので割愛するが。
この文を知った不死川と冨岡の間で大きな乱闘が起き、他の柱も冨岡に加勢する未来が容易く想像つく。
胡蝶が出ていった病室に、不気味な笑い声が響く。
「これであいつは明日、柱を追放されて鬼殺隊からも消える…ふふっ、やっと私が愛されるのよ!!」
日天が悪魔のように笑うのに対し、
「…ほんっと、鬼のように強欲で嘘吐きな方ですね。…虫唾が走る」
胡蝶の笑顔が歪んだ。
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さくら - めっちゃ面白かったですパスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても面白かったです!パスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) @page50 id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
うらら - とっても面白かったです!パスワードを教えていただけると嬉しいです! (12月17日 22時) (レス) @page50 id: 5151e61b26 (このIDを非表示/違反報告)
えー(プロフ) - 面白すぎて一気に見てしまいました!パスワードを教えていただければさいわいです! (11月26日 21時) (レス) @page50 id: 9a652782c8 (このIDを非表示/違反報告)
スヨン(プロフ) - 続きを読ませていただきたいです!パスワードを教えていただいてもいいでしょうか? (5月16日 9時) (レス) id: 39a7c5fd09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白米 | 作成日時:2020年2月17日 22時