第七十三話 ページ28
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『辞めないって言ったら？』
｢別に？でも、懸命な判断とは言えないわよ。呼吸も使えない、烏一匹守れない無能なあんたに、人の命を守るこの仕事がやっていけるのかしら｣
日天さんの言葉は図星だった。
でも、私だってこの数年間、何もしてこなかったわけじゃない。
呼吸が使えないなりに、努力してきたのだ。
それを凄いだとか偉いだとか、自分だけが辛いだなんて言うつもりは毛頭ないけど、何も知らない彼女に言われたくはない。
それに、彼女は＿＿＿
『お言葉ですが、烏一匹の命すら大切に出来ない貴女にも、鬼殺隊は向いてないと思いますよ』
どろどろとした感情は笑顔の下に
まだ、準備が整ってないから
我慢、しなくちゃ
私は、日天さんに笑顔を向けて、部屋を出た。
しばらくここには来ないでおこう。
もう、彼女に会いたくない
我慢が、出来なくなってしまう…
部屋を出て、しのぶちゃんが私のために用意してくれている部屋に閉じこもる。
扉に背を預け、溢れる涙をひたすらに拭い続ける。
ふわっ
誰かに、急に抱きしめられるまで我を忘れていた。
｢どうした。またあいつか｣
『う、ずいさん？』
｢よしよし、辛かったな。もう少しの我慢だからな｣
非番スタイルで髪を下ろした宇髄さんが、とんとんと一定のリズムで背中を叩いてくれる。
｢耐えられなくなったらいつでも俺んとこに来い｣
こういうことをさらっと言えちゃうあたり、宇髄さんは正真正銘のイケメン
須磨さんたちが宇髄さんに惚れるのも分かる
なんて考えながら、宇髄さんの胸板に顔を埋める。
彼は大きな体に私を包み込んで抱き上げ、そのまま私のベッドに座った。
私の
ベッド
ちょっと待て
……私の？？
『なんでここに祭りの神がいるんだよ』
｢神は神出鬼没なんだよ｣
『ふざけんな涙引っ込んだわ』
ばっ、と顔をあげれば思いっきり宇髄さんの顎にヒット。
痛がる派手野郎と、荒ぶる口調を無視して、数歩後ずさる。
もしかしたら、私が間違えて宇髄さんの部屋に入ってしまったのかと思ったけど、ちゃんと私の部屋だった。
ていうか、しのぶちゃんはここに男どもの部屋を用意してなかった。
ごしごしと涙を拭い切ろうとすると、その腕が急に動かなくなる
｢擦ったら赤くなるでしょ。馬鹿なの？｣
『だからなんでいんの』
｢神は神出鬼没だから｣
『迷惑な神たちだなおい』
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キメツ推し - 面白かったです！パスワードを知りたいです (3月29日 12時) (
レス) @page50 id: 267e3fd993 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったですパスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても面白かったです！パスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) @page50 id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
うらら - とっても面白かったです！パスワードを教えていただけると嬉しいです！ (12月17日 22時) (レス) @page50 id: 5151e61b26 (このIDを非表示/違反報告)
えー(プロフ) - 面白すぎて一気に見てしまいました！パスワードを教えていただければさいわいです！ (11月26日 21時) (レス) @page50 id: 9a652782c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白米 | 作成日時：2020年2月17日 22時
