第五十七話 ページ12
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「みんな、よく集まってくれたね」
目が覚めると、私は本部にいた。
状況が把握できないまま、周りを見てあたふたしている間にあまね様の声がかかり、御館様がいらっしゃった。
「…本日もお身体、お変わりないようで何より……。…益々のご多幸を切にお祈り申し上げます…。」
「ありがとう、行冥」
挨拶をしたのは悲鳴嶼さん
そういえば、どうやってここまで来たんだろうか。
もしかして、ここまで不死川さんが運んでくれたのかな
すごく距離があるのに、申し訳ない……
後で、お礼を言いに伺おう。高級おはぎを持って。
「A、叶美。今日は君たち二人のことについての話し合いだ。分かるね?」
御館様にそう問われて、私は静かに頷く。
日天さんも、少し離れた所でにやにやしながら頷いていた。
私の隣には悲鳴嶼さん、反対には宇髄さん
さらに後ろに、冨岡さんと不死川さんが座っていた。
ただ、私と日天さんを引き離してくれているだけだとは思うけど、私を守るように座ってくれているのが嬉しかった。
「叶美、ことの状況を話してくれるかい?」
御館様の言葉で話し始めた日天さんの話はこうだ。
蝶屋敷で、偶然、落ちている私の日輪刀をを見つけて、私に届けようとしたら私に鉢合わせた。
日輪刀を渡したら、私が日天さんが盗ったと虚事を述べて抜刀し、日天さんに斬りかかった。
それを見て、彼女を守ろうとした日天さんの鎹烏が、彼女の代わりに斬られ、殺された。
それでも気が済まなかった私は、日輪刀を日天さんの足に刺した、と。
「私…Aちゃんに刀を渡したかっただけなんですっ!でもAちゃんの行動は明らかな隊律違反…」
「心苦しいですが……Aちゃんの…切腹の処罰を希望します」
俯いて、さも致し方のないようにそう言う日天さん。
思わず乾いた笑いが漏れた。
『よくも、そんな戯言をすらすらと紡げますね』
私は、本当に起こったことを嘘偽りなく話した。
でも、
あの場にいたのは私と彼女だけ。
傍から見て、どちらの証言も信憑性に欠ける。
「…話してくれてありがとう、二人とも。どちらの話も信じてあげたいけどね…実弥、義勇はどう思う?」
「…恐れながらも御館様、俺ァAを信じてやりたいです。Aが自分の家族を傷つけるとは思えません」
「……不死川と同じく、付き合いの長いAを信じたいと思っています」
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さくら - めっちゃ面白かったですパスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても面白かったです!パスワード教えていただけると嬉しいです (3月1日 20時) (レス) @page50 id: a79ca47ff6 (このIDを非表示/違反報告)
うらら - とっても面白かったです!パスワードを教えていただけると嬉しいです! (12月17日 22時) (レス) @page50 id: 5151e61b26 (このIDを非表示/違反報告)
えー(プロフ) - 面白すぎて一気に見てしまいました!パスワードを教えていただければさいわいです! (11月26日 21時) (レス) @page50 id: 9a652782c8 (このIDを非表示/違反報告)
スヨン(プロフ) - 続きを読ませていただきたいです!パスワードを教えていただいてもいいでしょうか? (5月16日 9時) (レス) id: 39a7c5fd09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白米 | 作成日時:2020年2月17日 22時