私のヒーロー�� ページ23
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言おうと思っていた、『どうした、何かあったのか』という言葉は声にならずに消えた。
目の前にきたと思ったら突然首に腕を回されて、そのまま勢いよく抱き着かれて
『は、』
ふわっと香ったシャンプーの香りだとか、その、女の子特有の柔らかさだとかを感じて
頭が真っ白になる。
何が起こっているのか、わからない。
只々体の体温が上昇して、顔が熱くて、身体を硬直させた。
Aは何も言わずに、俺の胸に顔を埋め、
そして、小さく、蚊の鳴くような声で言った。
『...鋭児郎、好き』
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あの場所で、ずっと待っていてくれた彼の姿を見つけた時、
胸がきゅっと締め付けられる。
走って、人混みを抜けて、必死に彼のもとに辿りついて、『何かあったのか？』と言わんばかりに優しく微笑む彼に、得も言われぬ感情に襲われて、
思わず彼の首に腕を伸ばした。
ぎゅっと彼を抱きしめると、その堅い胸板だとか、がっしりとした首回りだとか、そんなものにいちいちどきまぎしてしまって。
『は、』
と身体を硬直させた彼。
そんな彼が愛おしくて、その逞しい胸板に顔を埋めた。
『...鋭児郎、好き』
ぽつりと呟いた言葉に、鋭児郎の体がびくっと動く。
そして、謎の沈黙が私達を襲う。
余りにも何も言わないから、私は痺れを切らして、ゆっくりと彼の体から離れる。
『...鋭児郎？』
彼の名前を呼びながら、顔を見上げると想像以上に顔が赤くて、
私と目が合うと、彼は片手で口を覆った。
『...それは狡いだろ』
ぼそっと呟いた彼。
へ、と思った瞬間、ふっと力が抜けたように彼はへなへなとしゃがみこむ。
思わず私も彼の目線に合わせて腰を下ろした。
だが、相も変わらず、彼は顔を一切見せてくれない。
『あのさ、...』
『ん？』
顔を見せずに、彼は口を開く。
『そういうこと、言われると、...期待しちまうっていうか、』
なんというか...、とぼそぼそと続ける彼に私ははっとする。
...まさか、これは伝わっていない？
いやいや、そんな、
と、彼の様子をじっと見つめて、気づく。
......これは、絶対伝わってない
憶測が確信に変わり、私ははぁ、と溜息をついた。
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出水紫苑 - 爆豪ぉぉぉぉおぉおぉぉお！！！ (2023年2月22日 16時) (
レス) @page23 id: 461bd7d92a (このIDを非表示/違反報告)
ももたろう(プロフ) - 本当に好きです.........最高すぎます(´TωT｀)心がぎゅうるんってなって（語彙力）涙なしでは見られませんでしたぁぁぁ(´；ω；｀) (2022年5月20日 22時) (レス) @page28 id: 8a120375b5 (このIDを非表示/違反報告)
隣の緑 - お、推しが、爆豪派閥が尊い！aya様、貴女は、神様ですか？ (2021年8月3日 13時) (レス) id: 01d7461e9f (このIDを非表示/違反報告)
しょう - 感動して涙出ました。 (2021年7月18日 23時) (レス) id: 427116d3c5 (このIDを非表示/違反報告)
ニナ(プロフ) - さ、最推しと付き合ってくれてありがとうございます、、。まじでこの小説好きです。出てくる人みんな好きすぎて尊いですありがとうございました。 (2021年3月9日 0時) (レス) id: fec159ffdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2020年4月23日 19時
