優しい人�� ページ19
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渡り廊下を渡って、中庭に出る。
携帯を開いて、先程電気から届いたメールを確認した。
【『かっちゃんなら、多分中庭。頑張れよ。』】
その通りに行動して、あまり来たことがない中庭を歩く。
雄英に、こんな場所があったのかと驚いて何だか神秘的なその場所で息を吸った。
歩いても、歩いても、かっちゃんの影は見えなくて
何処にいるんだろう、、そう思った時
『...私、諦めませんから』
そんな、女の子の悲痛な叫び声が聞こえてぴたりと足を止めた。
すぐそこにあった曲がり角から、雄英の制服を身にまとった女の子が飛び出してきて、ぶつかりそうになって、お互いがお互いを見つめあう。
そして、彼女の顔を見て、はっと息を飲む。
その可愛らしいアーモンドみたいな形をした目には沢山の涙が溢れていて、
彼女は私を捉えた瞬間にその目を歪ませてキッと睨みつける。
『...なんで貴方なの』
『え、...』
『私の方が、好きなのにッ！！！』
そんな、彼女の叫び声を聞いて私は漸く気が付いた。
...この子、かっちゃんにこの前告白してた
顔を真っ赤にして、唇をわなわなと震わせた彼女は私を一瞥した。
『ほんと、狡い...』
そう呟いた声は小さく消える。
顔を俯かせ、そのまま横を通り過ぎて、去っていく、
残り香が鼻を掠めて、私は息をひゅっと止めた。
その彼女の動きがスローモーションみたいにゆっくり見えて、
何故か胸の鼓動は早まって、嫌な音を立てた。
『テメェ、そこで何してやがる』
はっとして、前を向くとそこにいたのはかっちゃんで。
『...何で泣いとんだ』
彼に指摘されて、ようやく気が付く。
頬に手をやると、涙が絶え間なく流れていて
ああ、今日は泣きすぎだ。
身体の水分、全部持っていかれそう
『かっちゃん、』
『あ゛？』
『...かっちゃんごめん』
何の話だと言わんばかりのその眼力
私はゆっくりと彼に歩み寄る。
『...私、』
さっきの女の子の悲しい表情と、悲痛な声。
ああ、私は知らず知らずのうちに沢山の人を傷つけていたのだと、改めて知った
範太も、電気も、あの女の子も
他にも沢山いるかもしれない。
『私ねッ...』
かっちゃんの顔を見つめると、もう彼は何も言わなかった。
ただただ、私をじっと見つめて、私の言葉を待ってくれている。
本当に、分かりにくいけど優しい人
『...私、鋭児郎が好きだ』
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出水紫苑 - 爆豪ぉぉぉぉおぉおぉぉお！！！ (2023年2月22日 16時) (
レス) @page23 id: 461bd7d92a (このIDを非表示/違反報告)
ももたろう(プロフ) - 本当に好きです.........最高すぎます(´TωT｀)心がぎゅうるんってなって（語彙力）涙なしでは見られませんでしたぁぁぁ(´；ω；｀) (2022年5月20日 22時) (レス) @page28 id: 8a120375b5 (このIDを非表示/違反報告)
隣の緑 - お、推しが、爆豪派閥が尊い！aya様、貴女は、神様ですか？ (2021年8月3日 13時) (レス) id: 01d7461e9f (このIDを非表示/違反報告)
しょう - 感動して涙出ました。 (2021年7月18日 23時) (レス) id: 427116d3c5 (このIDを非表示/違反報告)
ニナ(プロフ) - さ、最推しと付き合ってくれてありがとうございます、、。まじでこの小説好きです。出てくる人みんな好きすぎて尊いですありがとうございました。 (2021年3月9日 0時) (レス) id: fec159ffdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aya | 作成日時：2020年4月23日 19時
