勝己くん�� ページ11
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『何かあった？お友達に意地悪された？』
小さい子をあやす様に、彼の背中をさする。無言で肩に顔を押し付ける爆豪。
何も言わないその姿に「言いたくないかぁ〜」とくすくす笑った。
『辛いことあった？怪我したの、大丈夫？』
又、聞くも、更にぐりぐりと頭を肩に押し付けられるだけ。これは相当キてるな...そう判断した香月はゆっくりと爆豪の頭を撫でた。
『大丈夫だよ〜、お姉ちゃん知ってるから、勝己くんが強いの』
『...ったりめーだ、カス...』
『あ、喋った』
漸く口を利いてくれたのが嬉しかったのか香月はえへへと笑う。未だ顔をあげようとしない爆豪。
雰囲気を変えよう、そう思い、香月は自分の腕を取り出した。
『勝己くん、見てみて。お姉ちゃん頑張った』
「オールマイトのサイン貰った！！」バーンと効果音が付きそうな勢いで彼の傍に腕を付きだす。
少しだけ顔をあげて、彼女の腕を見る爆豪。目がほんの少し赤くて、あららと香月は口を抑える。
『...んで腕に書くんだよ』
『そーなの、間違えちゃってね！！油性にしてもらえばよかった！！！』
『そこじゃねーわ、...馬鹿』
馬鹿、とは言われたが何だか元気が戻ってきたのか、何時もみたいに毒を吐く爆豪に安心する。
ずずっと鼻を啜りながら漸く顔をあげた。あ、制服濡れちゃってる。香月は思ったがきっと彼のプライドが許さないだろうから知らないふりをしようと決めた。
『これ、勝己くんにあげようと思って！！』
『...どーやってだよ、まさか腕ごとくれんのか』
『はっ！！...そっか！！無理じゃん、腕とかあげらんないじゃん！！！』
「え〜...写真撮る？」と不安気な顔で此方を見る馬鹿幼馴染を見て、少しだけ爆豪はほっとする。
...なんでサインを腕に書いてもらうっていう思考回路になんだよ、と思いつつも彼女が自分の為にしてくれたのだと思うと何だか嬉しかった。
『...いらねーわ、自分の為にとっとけや』
『えええ、でもこれ勝己くんに...』
しょんぼり、そんな効果音が聞こえてきそうなくらいしょげた顔をする彼女を見て、何処か今日の演習訓練で感じた靄が晴れていくような気がした。
落ち込んでいる時、いつも幼馴染の香月Aだけは自分の傍にいてくれるのだ。それは小さい頃からの暗黙のルールみたいなもの。
『...分かった！！今度は紙に書いてもらってくるね！！』
『最初からそーしろや』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 918人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さきな(プロフ) - 最近読み始めたんですがもう更新されないのかと思ったら悲しいです(＞＜) (2022年3月15日 19時) (
レス) id: 0a75b45037 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 猫が好きな謎の生物さん» あああまた嬉しすぎるコメント泣ありがとうございます泣私の体調の心配まで。。。嬉しすぎる優しすぎる泣できるときにまとめて更新しますので楽しんでいただけたら幸いです！！ (2020年5月27日 14時) (レス) id: cf80925120 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 鳳＊さん» うれじいお言葉泣コメント返すの遅くなってしまって申し訳ないです、、、コメントが嬉しすぎてほんと語彙力なくなります、ありがとうございます！！！puls ultra精神で頑張ります！！！ (2020年5月27日 14時) (レス) id: cf80925120 (このIDを非表示/違反報告)
猫が好きな謎の生物 - 不定期……？どんとこいや！体を壊したりしないように、気を付けて下さい。学校、頑張って下さいね！応援します。 (2020年5月24日 23時) (レス) id: faf584bdff (このIDを非表示/違反報告)
鳳＊(プロフ) - 不定期？大丈夫!!ってか是非学業に専念して下さい！いつまでもわたしは待ってます！次の更新が楽しみな気持ちがより膨れ上がりますよ！！楽しみにしてます！Plus ultra!! (2020年5月22日 18時) (レス) id: 63e109079e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：aya | 作成日時：2020年5月15日 16時
