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教室に戻ると、やっぱり男子には冷やかされて、女子には睨まれた。
ゆりちゃんは私のほうを見向きもしない。
きっともう、嫌われた。
でも、嫌われてどこかで安心してる私もいた。
私のしてることは最低でゆりちゃんに言わなきゃいけないのに、先生のことが可哀想で振り切れない私は、ゆりちゃんのお友達には相応しくないから。
放課後。
藤ヶ谷先生からLINEで呼び出し。
今日は怒られるようなことばかりしちゃっかたら、たくさん謝らなきゃ。
「失礼します…」
リスニングルームに入る。
「A、おいで」
準備室から顔を出す先生。
笑顔に安堵する私。
先生の隣に座った。
「今日、お母さん来たね」
「あ…すみません。」
「どうして謝るの?」
「だって…」
「A、学校来たくない?」
頭を撫でながら優しく聞いてくれる先生。
「…はい。」
「クラスの女子に嫌われてるから?」
無言で頷く。
先生がフッと笑った。
「A、俺がいるじゃん。なんなら放課ごとに俺のとこに来てくれたらいいよ」
そんなのやだ。
「…男子には好かれてるみたいだけど」
先生の声色が少し機嫌の悪いものになった。
「女の子のお友達が欲しいです…」
何言ってるんだろう。もう高校生なのに。恥ずかしくて下を向く。
前の高校では何も努力しなくてもお友達がいたのに。
「…お友達、欲しいの?」
無言で頷く。
「…わかった」
え?
「俺が何とかしてあげるよ」
「い、いいです…自分で頑張れます」
「でもAのお母さんにも頼まれたし」
「…母のことは気にしないで下さい」
「でもお母さん、泣きそうだったよ?」
嘘…お母さん、ごめんね…
「Aのお母さんが悲しいのはやだな、俺」
「…」
「とにかく、俺に任せて」
「はい…」
ぎゅっと抱きしめられて、身体が強ばる。
「Aってさ、あんまり今どきの高校生っぽくないよね」
それはイモっぽいってこと?(泣)
「言葉遣いが他の生徒に比べて綺麗なんだよ。俺そういう子、好き」
「お母さんが、言葉遣いはきちんとしなさいって…」
「そうなんだ。素敵なお母さんだよね」
お母さんを褒められて、心があったかくなる。
「…玉森のことだけど」
身体が勝手にビクッとなる。
「ふっ、何?(笑)…Aさ、俺が玉森を階段から突き飛ばしたと思ったでしょ」
バレてる…(汗)
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ayachoko(プロフ) - あずきさん» あずき様、まだ読んでいて下さって嬉しいです(T^T)実はこの後の展開にかなり迷ってます(>_<)可哀想すぎるかな、とか…(;_;)楽しみにして下さって感謝です!ありがとうございます(*^^*) (2017年4月16日 6時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - 相変わらずツッコミながら読んでます(笑)わーついに部屋に…!どうなるのでしょう。更新楽しみにしてますね♪ (2017年4月16日 0時) (レス) id: dc6b6c7204 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年4月10日 18時