溺愛ロジック 2

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北山side

職員室。

「おっ、今年は水族館、遊園地、動物園か」

俺らの学校は遠足(校外学習)の場所が毎年選択制だ。クラスでよく話し合って場所を決めることになっている。

「藤ヶ谷はどこがいい？」

「それは生徒が決めるんだろ(笑)俺達は付き添い。保護者だから。遊んだりすんなよ」

「そうはいうけどお前、去年遊園地になった時、女子につれ回されてたじゃねぇか」

「…」

思い出したのかうんざり顔の藤ヶ谷。

俺は男子と盛り上がったぜ♪

「今年も俺ら同じ場所だといいな」

同じ場所なら一緒に行けるしな。

「同じでもいいけどさ、バス越しに手を振るのはやめろよ。恥ずかしいから。」

仕方ねぇじゃん。楽しくなっちゃったんだからさ。

「班決めの時間つくんねぇとな」

黙り混む藤ヶ谷。どした？

「何難しい顔してんだよ。班作りなんか楽だろ。お前のクラス、みんな仲いいし。」

「…そうだな。まあでもちょっと調整しないと」

調整？去年はそんなこと言ってなかったしほぼ放置してなかったっけ。

「失礼します」

職員室に広瀬と舞原が来た。

「藤ヶ谷先生っ、プリント集めてきましたぁ♪」

舞原、俺と藤ヶ谷で全然態度違うな。

広瀬は俯いてる。

昨日の体育の時も元気なかったな。

「ありがと。あ、広瀬」

藤ヶ谷が声をかけるとビクっとする広瀬。

何だ？この反応。

「はい…」

「今日は変なメイクしてないな(笑)良かった。」

メイク？昨日してたのか。つか高校生ならメイクくらいはするだろ。

それより藤ヶ谷に違和感を感じる。こいつは生徒のプライベートな面には全く関心ない奴だったのに。

「先生っ、昨日はごめんなさいっ！Aちゃんがどうしてもしてほしそうだったから…」

びっくりした顔で舞原を見つめる広瀬。多分真相は違うのかもしんねぇけど、広瀬は特に否定しないからわからない。

「…そう。でも広瀬はそのままが一番可愛いから、もうするなよ。」

「藤ヶ谷、その台詞はちょっと教師的にまずいぞ(笑)」

生徒は確かに可愛いけど、職員室で言うのはちょっと、な。

「…もうしません」

「いいこ」

藤ヶ谷が広瀬の頭を撫でた。

なんだこの雰囲気は。舞原も違和感あるのか変な顔してるし。

「先生っ！もういいですかぁ？」

「ああ、いいよ」

舞原が広瀬を引っ張って出てく。キョロキョロする俺。幸い教頭はいないし、先生達もこっちを見ていない。

「お前さ…」

「ん？」

「いや、何でもない。」

気のせいか。

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