溺愛ロジック 番外編 2

お手伝い ページ7

※「反省タイム」のお話の続きになります(*^^*)





「藤ヶ谷先生、おはようございます！」

「おはよう、A」

朝早く、図書館の駐車場で待ち合わせた。

いつもだったら何されるかわかんないから絶対藤ヶ谷先生の車になんか乗らないけど、今日は特別。

私、ついに憧れの保育士体験しますっ…！

うちの高校は幼稚園と大学の系列があって、幼稚園の先生のお手伝いをさせてもらえるそうです！

いわゆる職場体験的なものかな？？

道中もウキウキしてたけど、なぜか着いたところは藤ヶ谷先生のマンションの駐車場。

「せ、先生…、この中に幼稚園が…？」

「馬鹿だなぁ、Aは。あるわけないだろ？」

「ええっ！だって今日は幼稚園のお手伝いですよね？！」

「そうだよ。お手伝いすんの、今から。ほら、降りるよ」

このマンションは無理矢理初めてをうばわれた恐ろしい場所だ。

絶対入りたくない。

「先生の嘘つき…。人でなし…」

「は？」

「幼稚園の先生の体験をさせてくれるっていうから来たのに、騙すなんてひどいです…」

「騙してないけど」

「こんな朝っぱらからナニするつもりなんですか！！」

「A、落ち着いて」

車を降りようとしたら腕を掴まれた。

も、もうおしまいだ…(涙)

藤ヶ谷先生の顔が近づいてきて構えたけど、私を素通りして後部座席のほうを向く先生。

紙袋を取ると、私に中を見せてくれた。

「…色紙？」

「そ。来週お遊戯会があるみたいで飾り付けが間に合わないから作るの手伝って欲しいんだって」

一つだけ見本が入ってて、先生はそれを私に渡した。

「保育中はもちろん、園児が帰ってからも色々雑務があるから、保育士は大変だと思うよ。だからお手伝いしようかなって。Aも保育士目指してるなら勉強になるだろうし」

「子どもと楽しく遊ぶだけじゃないんですね…」

「当たり前だろ(笑)遊んでる間だって怪我したりしないように注意してみててあげなきゃならないんだよ」

「こんなことまで全部やるなんて大変ですね…。わかりました！精一杯作らせて頂きます！」

「うん。俺も一緒にやるから。ごめんな、土曜日なら幼稚園でやれたんだけど、休みが日曜日しか取れないからさ」

学校の先生も大変なんだなぁ…。

「先生のお家で大丈夫です！一緒に楽しく作りましょう♪」

「…ほんと楽しみだな。よし、じゃあ行こうか」

先生、こういうの作るの好きなのかな？

私はウキウキで先生のお家にお邪魔した。

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