反省タイム ページ3
北山side
反省文を一生懸命書く広瀬の前に座る俺。
体育を担当している俺は、こうやって机上に向かう広瀬を見るのは何だか新鮮だ。
─自分がどのくらい社会に貢献出来るのか試してみたかった─
広瀬らしくない文章に俺は目を丸くした。
玉森か？
なんか腹立つな。
けれど真剣に文章を書いている広瀬を見て思わず微笑んだ。
今回は運悪く俺にバレちまったから仕方ないけど、こうやって失敗したり間違えながらも彼女は成長していくんだろうな。
間違えることを恐れるようになってしまった大人の自分には眩しくうつる。
…そうだ。
頭使うとお腹空くだろうしなんか甘いものでもやるか。
確か自分のデスクの引き出しにお土産でもらったチョコレートがあったはずだ。
「…ちょっと一回職員室行ってくるから」
職員室に戻り、引き出しに入っていたお菓子を手にとると、ちょうど藤ヶ谷がこちらにやって来た。
「チョコレート食べるの？コーヒーでも淹れようか？」
いつものように甲斐甲斐しく俺の世話をしたがる藤ヶ谷。
お前は俺の彼女かっつの。
「いや、これは広瀬にやるから」
「広瀬に？」
急に冷たい声になる藤ヶ谷。
こいつは広瀬が絡むとほんと人格変わるんだよな。
「アルバイトしてたろ？だから今反省文書かせてんの」
「反省文、ねぇ」
「何だよ」
「いや、あの子はそう簡単には反省しないよ」
「そうか？素直に書いてたぞ」
「あー見えてあざといからさ、どう切り抜けるかってことばっか考えてるんじゃない？見た目ほど反省してないよ」
「…何で、んなこと知ってんの？」
「俺も何度も反省させたけど全然言うこと聞かないからさ」
「アイツ、そんな悪いことばっかしてんのか」
「…とにかく、反省させるなら徹底的にさせた方がいいよ。もう絶対アルバイトしたくなくなるくらい」
こわっ。
「働きたいみたいだから、俺の知り合いのとこでボランティアさせてあげようかなと思ってるし」
「そうなんだ。ボランティアっていいと思うな」
「でしょ？ついでに俺にもたくさん奉仕してもらおうかなって」
…ん？
「藤ヶ谷にも奉仕すんの？」
「まあいいじゃん。ほら、早く戻りなよ。どーせサボってるからさ」
広瀬のことなら何でもわかってますっていう顔して微笑む藤ヶ谷と別れて再び進路指導室へ向かった。
そして扉を開けると、広瀬と玉森がいちゃこらしていた。
藤ヶ谷の言う通りじゃねぇか。
これは徹底的に指導だな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 312人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ayachoko(プロフ) - 玲さん» ラスボスついに登場しましたっ！勝てる気がしません！笑 こんな悪魔な藤ヶ谷くんきっと誰も求めてないだろうけどこういうの好きなのでこのまま突っ走ります(*´ `*)玲さんいつもほんとに嬉しいお言葉をありがとうございます…(p_q*) (2020年8月9日 22時) (
レス) id: 1f0f554f59 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 藤ヶ谷先生キターーーーーーーヽ(´▽｀)/圧倒的ラスボス感！笑 めちゃくちゃ怒ってるぅ〜キュンキュンしちゃう(//∇//)何されちゃうのかなぁ〜ワクワクです(ヨダレ) 展開が上手過ぎて本当に読み応えがありますっ！ (2020年8月9日 17時) (レス) id: d67bf6cc3e (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 玲さん» 玲さん〜っ(*≧∀≦*)めちゃめちゃ萌える妄想をありがとうございます( 〃▽〃)確かにすっごい怒りそう…(ﾟＡﾟ;)そのように進めていきますねヽ(*´∀｀)ﾉ♪ (2020年5月31日 22時) (レス) id: 1f0f554f59 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 北山先生と一緒に水道で脚を洗ってるところ、校舎の何処かから藤ヶ谷先生に見られてたらいいな(←) それであとで激しいお仕置きが待ってたらさらにいいな(変態) これは藤ヶ谷先生怒るだろうなぁ〜(期待っ)☆ (2020年5月30日 14時) (レス) id: b7c4bcac2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayachoko
| 作成日時：2019年10月28日 10時
