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ここのお店は家族で経営してるのか、旦那さんがキッチンにいて、さっきの店員さんがどうやら奥さんみたい。
「ママ〜」
お店の奥から小さな女の子がおえかきした画用紙を持ってニコニコと奥さんのところへ。
「…家族でお店ってなんか憧れますね」
「そうだね。Aちゃんだったら絵本屋さんかな」
「絵本だけじゃやっていけないですよ」
「確かにね、けど想像するだけなら自由でしょ？」
「じゃあ藤ヶ谷さんと二人でお店開きたい」
「いいね、絵本と、あとは遊ぶスペースがあると楽しそうだな」
「絵本って高城さんのやつ？」
「いや、出版社やランクに拘らないで、いいなって思えるものを置きたいな」
「藤ヶ谷さん、高城さん以外の絵本も好きなのあるんですか？」
「もちろん。うちはちょっと仕掛け絵本が弱いかな、あと児童文庫」
「ダメですよ、高城さんの営業さんがそんなこと言ったら」
「だね。じゃあ今のは秘密ね？Aちゃん」
いたずらっ子みたいな顔で笑う藤ヶ谷さんにときめいた。
「そもそも私達自体が秘密の関係ですけどね」
藤ヶ谷さんは何も答えずカップに口をつけた。
「…藤ヶ谷さんはどうして皐月さんの男遊びを許してあげてるんですか？」
私の言葉に藤ヶ谷さんは哀しげに微笑んだ。
「してないよ、皐月は」
「してますよ！だって…」
「してないから。…この話、やめよう」
藤ヶ谷さんは山のほうへ視線をうつした。
これ以上詮索されたくないんだ。
「ごめんなさい…」
謝る私に視線を戻すと、「せっかく二人でいるんだし、俺達の話をしようか」って優しく言ってくれた。
「私は子どもは二人がいいです」
「そうなんだ」
「はい。一人だと寂しいし」
「三人は？」
「そんなに頑張れないです…」
「ぶはっ」
子どもの話を藤ヶ谷さんとしてるなんて不思議。
絶対に来るはずのない未来を二人で話して笑い合う。
「子どもの名前、楓はどうですか？」
「かえで？」
「はい、男の子でも女の子でも合うし」
「そうだね、でもどうして楓なの？」
「…今日のこの落ち葉が楓の葉だから」
ハンカチに包んでいた落ち葉を見せた。
藤ヶ谷さんは落ち葉を手に取り、いとおしそうに見つめた。
「楓にしよう、決まりだね」
「…はい」
赤ちゃんを抱いて微笑む藤ヶ谷さんを想像したら、とても幸せな気持ちになれた。
決して会えることはない楓ちゃん。
楓ちゃんを見つめて優しく微笑む藤ヶ谷さんは、私の頭の中で、泡のように消えていった。
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ayachoko(プロフ) - ゆいゆいさん» ゆいゆいさん(*^^*)お忙しいのに貴重なお時間で読んでくださり感謝の気持ちでいっぱいです(T-T)更新のペースが早くて大変だと思いますのでゆっくり読んでいただければと思います(。>д<)ビジネスホテル、アレがないですもんね(笑)でもいかにも不倫っぽい場所かも(^^; (2017年9月27日 7時) (
レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいゆい(プロフ) - 太輔くんの主ちゃんは俺のだよっていうセリフにキュンキュンしました！！でも、一線越えたのがビジネスホテルで色々心配ですね笑 最近忙しくてお話しに追い付けていなかったりしますが、これを読むのが本当に楽しみになってます(^.^) (2017年9月27日 1時) (レス) id: 1462413259 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - sioriさん» sioriさ〜ん(*≧∀≦*)お忙しい中来て下さりありがとうございます！(*^^*)みっくんと穏やかに暮らしていけませんでした。欲に負けました、私←なりきり(笑) みっくんがいるのに贅沢すぎですよね(^^; (2017年9月24日 21時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - 紀輔さん» 紀輔さ〜ん(*≧∀≦*)んふふ、私BLは藤北だけは読んでるのです…( 〃▽〃)紀輔さんの文、すごく読みやすくて羨ましいです(T-T)北藤のプレゼントのお話、にやけました〜( 〃▽〃)攻めのみっくん、最高でした( 〃▽〃) (2017年9月24日 21時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ピンクマカロンさん» そして、『あの夜君に抱かれたら』の藤ヶ谷さんですが、なんであんなに甘くてえろい藤ヶ谷さんが書けるんですかっ！もうドストライクでニヤニヤしちゃいました( 〃▽〃)更新、楽しみにしています！コメント見ると他の方も待ってるみたいですしねっ(*≧∀≦*)←圧力(笑) (2017年9月24日 21時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayachoko
| 作成日時：2017年9月12日 20時
