『インモラル 3』

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「お邪魔しまっす！」

太田さんも入ってきて、少し安心した。

女の子のうちの一人に「北山さんの奥さまですかぁ？」って聞かれた。

「は、はい」

「いつも北山さんにはお世話になってまぁす」

え？どういうこと？

「この子達、総務課の子なんだよ。俺ら開発部のお使いみたいなことしてくれてて」

太田さんが教えてくれた。

「そうなんですか…」

「んふふ、お世話してあげてま〜す」

みっくんはその子達の肩を抱いて部屋の中へ入って行った。

ポカーン…。

「Aちゃんごめんね〜、けど北山、普段はあんなに女の子にチャラチャラしてないから安心して」

背中をポンポンとされて、太田さんの優しさに嬉しくなった。

「あんだよ、何にもねぇじゃん」

冷蔵庫を覗いてみっくんは口を尖らせた。

「電話してくれたら何か作ったのに」

「んな暇ないっつの」

「北山さん、奥さんにきびし〜っ」

「君達には甘いけどね〜」

「きゃははは」

みっくんがおかしくなっちゃった…。

とりあえず、冷蔵庫からビールを出してグラスを並べた。

「突然来たのにすごく綺麗にしてる〜っ」

「いい奥さんですね」

キャピキャピしながら褒めてくれて、嬉しくなった。

「ありがとうございます…」

なんか恥ずかしい。

「運びますね〜」

グラスを乗せたトレーを運んでくれたり、女の子達はすごく気が利くいい子達だった。

「A、コンビニ行ってきて」

「何が欲しいの？」

「女の子なんだからさ〜、ビールじゃなくて甘いワインのがいっかなって」

「え〜？ビールでいいですよ？」

「い〜から、い〜から。ついでに色々おつまみになりそうなもん買って来いよ」

それならコンビニよりスーパーのがお酒が揃ってる気がする。

「来てすぐでごめんなさい、ちょっと出掛けてきますね」

「ほんとに行くんですか？！」

「すぐ近くだからそんなにお待たせしないと思います」

お財布を持って自宅を出た。

「Aちゃん！」

振り返ると太田さんが走ってきた。

「俺も行くよ。外真っ暗だし」

「あ、すみません」

私が運転して、二人でお酒が色々売ってるスーパーへ向かった。

太田さんが来てくれて良かった。

私、お酒全く飲まないからどれが美味しいかわからないし。

しかも買ったものも太田さんが持ってくれた。

自宅に帰るとみっくんは女の子達と楽しそうに飲んでいた。

「おせぇよ」

「ごめんね、今準備するから」

慌てて台所へ向かった。

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