ヤンデレ幼馴染×玉森裕太 ページ2
そんな裕太くんは高校生になってもキラキラ輝いていた。
高身長なのに甘い顔、まるで少女漫画から出てきたような風貌の彼に、ときめかない人はいない。
私なんて、ただ幼馴染だからってだけで、裕太くんと一緒にいるだけで。
この目立つグループにいつも居心地の悪さを感じていた。
でも裕太くんはいつも私のことを気にかけてくれている。
それがなんだか申し訳なくて。
せめてお勉強が出来るとか、運動が出来るとか、
何か取り柄があれば救われるのに、何にもない私。
学校からの帰り道。
お隣だからいつも一緒に帰ってるんだけど。
私、知ってるんだよ。
他の女子から、私が裕太くんのお荷物って言われてること。
裕太くんにも何度か話したけど。
「何バカなこと言ってんの。んなことないから、ずっと隣にいればいーの」
なんて言われてしまうのだ。
でも私、変わりたいんだよ。
裕太くんに頼りきってしまっている情けない自分を変えたいの。
「裕太くん」
「ん？」
「あのね、私、明日からはほんとに一人で帰れるから」
「またその話？ダメだって。かなはなんもないところで転んだり、変な奴に声掛けられたり危なっかしいんだから」
「私もう高校生だよ？小さい子どもじゃないんだから」
「小さい子のほうがちゃんとしてるかもなー」
「ひどいっ」
「んはは」
今日は絶対、ぜーったい諦めないっ！！
「…ていうかね、一緒に帰れなくなりそうなの」
「何で？」
「か、彼氏が、出来たから」
もちろん嘘だけど。
さすがにこう言えば裕太くんだってひいてくれるはず。
「だから、彼氏に誤解されたくないの。ほら、いくら幼馴染だからって毎日一緒に帰ってたら…」
「誰？」
「へ、」
「彼氏って、誰」
「ひ、秘密だよ！」
「俺に秘密なんか作っていいと思ってるの？」
「裕太くんだって秘密の1個や2個あるでしょ？」
「ねーよ。俺はかなに秘密なんかない」
ひええ。どうしよう。
彼氏なんか嘘だし。
ていうか、もっと違う言い方すれば良かった。
どこまでも馬鹿な自分に嫌気が差し黙ってると、
突然私の腕を引っ張り、ズンズン歩き出す裕太くん。
「え、ちょっと、」
「話は俺の部屋で聞くから」
「話なんかないってば！」
「俺のこと納得させられたらかなの言う通りにするよ」
「ほ、ほんと？」
「ん」
良かった。
明日からは別々に帰れるように、頑張って裕太くんを説得しなきゃ。
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作者名：ayachoko
| 作成日時：2023年5月9日 21時
