ヤンデレ幼馴染×玉森裕太 ページ3
放課後いつも一緒に過ごしている裕太くんのお部屋へ。
こんなに裕太くんといつもベッタリしていたら、ほんとに彼氏なんかできない気がする。
仲良くなった男子は今まで何人かいたけれど、裕太くんの存在を知った後、何故かみんな疎遠になっていった。
付き合ってるって勘違いされたのかもしれない。
釣り合うわけがないのに。
いつもならすぐさまテレビをつけてゲームを一緒にやるんだけど、今日の裕太くんのお部屋は静まり返っている。
学ランを脱いだ裕太くんがこちらを振り向いた。
その表情は見たことないような冷たい顔で、ギクリとする私。
今から尋問が始まるのだ。
なんとか頑張って乗り切るぞ！
「で、彼氏って誰」
「だからね、秘密なの」
「言えないような奴なの？」
「そんなことないけど…」
「学校の奴？」
「う？う、ん」
「何だよその曖昧な返事は」
だってほんとはいないもん。
「おかしいな、学校の奴でAに近づく男なんかいないはずなんだけど」
「ど、どうして？」
「どうしてって…、俺が全部蹴散らしてるから」
へ…？
意味がわからない。
「け、蹴散らしてる？」
「うん。大事な幼馴染が変な奴になんかされないように、Aに近づこうとする男は俺が先に牽制かけてたからさ」
だから私と仲良くなった男子はある日突然離れていったんだ。
そして私に近寄ろうとする男子がいないのも、まさか裕太くんのせいだったとは…。
「そんなことされたら、私、男子と仲良くできなくなっちゃうよ…」
「仲良くする必要なんかないじゃん」
まるで私が間違ってるって感じで、呆れた顔をして見下ろす裕太くん。
「それに、そんなんじゃ彼氏とか一生出来ないよっ！」
「え？彼氏出来たんでしょ？」
はっ！しまった！！
「まさか、嘘ついた？」
真っ青な私の顔を覗きこむ裕太くん。
仕方がない。正直に言おう。
「…嘘ついて、ごめんなさい」
「なんだ〜、嘘かよ。あ〜ビビったぁ」
いつもの柔らかい雰囲気の裕太くんにもどり、ふにゃりと笑う彼に安心した私も一緒に笑った。
「えへへ…、ごめんね」
「今日はエイプリルフールじゃないだろ〜？」
いつものように頭をイイコイイコされたけど、私はその手を振り払った。
「A？」
「えっと…、私ね、この関係を終わらせたくて嘘ついたの」
「え…？」
「私と裕太くん、付き合ってもないのにこんなに一緒にいたらおかしいでしよ？」
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作者名：ayachoko
| 作成日時：2023年5月9日 21時
