溺愛ロジック F side

狂うほど、愛しい ページ5

俺の中には天使と悪魔がいるようだ。

天使のように純粋に彼女を愛し、慈しみ、尽くしていきたい気持ちがあるのに、悪魔のように残酷なことを彼女にしてしまうのだから。



Aと水族館に行った日、久々に心は穏やかだった。

愛しい君と初デート。

からかうと頬を膨らませたり、イルカのショーを見て一緒に笑ったり。

幸せってこういうことをいうんだろうな。



玉森の強引さを懸念していた俺は一刻も早くAを抱きたかった。アイツに初めてを奪われたりでもしたら、おかしくなってしまいそうだし。



自宅に連れ込んだけど、帰りたがるAに苛立ちが募る。


帰さないよ。



たまたま目に入った睡眠薬をお茶に混ぜた。

ゆっくり効いていくのかと思っていたのにすぐに眠ってしまったA。

…大丈夫だろうか。量が多かったか？

抱き上げて寝室に寝かせた。

しばらくして、Aが目を覚まして安心した。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

お茶に睡眠薬を入れたことを話すと、Aは激しく動揺した。

怯えて震えているのに、こんなに酷いことをされてるのに、それでも俺を気遣うA。



苦しいよ、A。

俺のことを好きになって。

…好きになれないなら、一緒に壊れようか。




俺はついにAを抱いてしまった。

Aの中に入った時、全身が歓喜に震えた。それと同時に自分が恐ろしく思えた。

こんな幼い彼女に何をしているんだろう。

それでも、いつもはあどけない顔のAも、俺に組み敷かれている今は女の顔をしている。

大事にしたいのに、初めてなんだから無理をさせたくないのに、Aから離れられない。



こんなにも彼女に溺れている自分。

絶対に失いたくない。



Aとひとつになれたのに、俺はちっとも幸せではなかった。

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