たった一度の恋。2 (ページ3)

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「廉！ジン！」

帰りの校門近くで俺達の名前を呼んだ

優太の声に振り返ると、

こっちに向かって駆け寄ってきていた。

「紫耀と飯行くけど、一緒にどう？」

「俺はいいけど、廉は？バイト休みだよな？」

「あー‥」

あれから数時間経ってもAさんからの

返信はなくて、ただ俺が送信したメッセージに

既読が付いてるだけだった。

今日は会えないんかな。

「廉は、彼女と会う？」

優太の言葉に紫耀が「え、」と声を漏らして

ジンはなんとなく勘づいていたのか軽く口角を上げていた。

「廉、彼女おるの？」

「まあ。てか優太口軽！」

「え、言ったらだめだったやつ！？」

「別にいんじゃん？廉分かりやすいから俺はなんとなく分かってたし」

「じゃあ俺だけが知らんかったん？」

「うるさ‥もうええから行こうや」

なんだか心臓がむず痒くて、

俺はそれを誤魔化すように先を歩いた。

「廉、どこ行くんだよ！反対だって」

「ああもう、うぜー」

結局歩いた分引き返して3人の前を通り過ぎた。

「拗ねたな(笑)」

「岸くんそれ言ったら余計拗ねるから」

3人の笑い声を背に歩き進めていると

ポケットの中で携帯が震えているのに気づく。

A：18時には仕事終わるよ