肆 ページ4
『おかあさん!わたしおかいものにいく!』
「そう。じゃあ早く行きなさい」
見向きもせず母が答えた。
「もう夜だし危ないから人が多いところを通るんだよ。わかったね?」
頭を撫でて月彦さんが言った。
お母さん態度違いすぎない??
てか月彦さん優しすぎない??
えなにこっっわ。
全てが怖いわこの世界。
とか思いつつ、口にしたらどちらにも殺されそうなので、その思いは胸にしまったまま『はーい!』と元気に返事をしたと同時に人が多いところに向かって走り出した。
ちらりと後ろを振り向くと2人が館の中に入っていくのが見えた。
(とりあえず...一安心...?)
▷▶▷無惨様
''A''と名乗った小娘が走り去っていく。
なんなんだあの小娘は。
何故私の名を知っている。
何故私が鬼舞辻無惨だと分かった?
気色が悪い。
そんな感情が湧いた。
この私にも感情というものがあるとは知りもしなかった。
小娘は見るからに鬼狩りではなそうだ。
ではなぜ私の名を知っている?
小娘の母親は鬼など知らないような素振りであったのにも関わらず何故?
気になる点はもう1つあった。
喋り方がわざとらしいというところだ。
小娘の母親は小太りで派手な格好をしているが小娘は擦り切れた服を着用しており、どちらかといえば細身。
これだけの情報があれば小娘が行き届いた教育を受けていないことくらい誰だってわかるだろう。
だが小娘は喋り方こそ赤ん坊だったが言葉遣いは大人びていた。
「ふみこさん。少し用事を思い出しまして…少々出かけて参ります」
私はそう言って女を上がらせた後、館を後にした。
あの小娘は生かしておいてはいけないと鬼としての本能が言っている。
…
…
...
パチッ
無惨が指を鳴らすとどこからともなく男が膝を着いた状態で姿を現した。
虹色の瞳をしており瞳には弐と書かれている。
「無惨様が俺を呼び出すなんて珍しいですねぇ」
「誰が喋って良いと言った。いいか、これくらいの背丈をした小娘を殺してこい。」
無惨が自身の腰に手を当てそう言った。
「えぇ…情報はそれだけですか…困ったなぁ」
童磨がうーん、と頭を捻ると無惨は軽く舌打ちをした。
ズブズブ…
爪が鋭くなった自身の爪を童磨の瞳に容赦なく突き刺す。
そして血を与え、自身の記憶を見せた。
「わぁ可愛らしい女の子だぁ」
そう言って童磨は女の子の元へ向かった。
468人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
叶乃(プロフ) - やっぱ、めちゃくちゃおもしろすぎません!?続きめちゃ気になります〜!更新頑張ってください! (2023年2月23日 22時) (レス) @page47 id: aa9cc439ad (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆ様コメントありがとうございます!うふふめっちゃ嬉しいです張り切っちゃいます💃 (2023年2月14日 15時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - まきさん» まき様コメントありがとうございます!ありがとうございます、頑張ります😚💪 (2023年2月14日 15時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - あまねさん» あまね様コメントありがとうございます!ありがとうございます🍀 ́- (2023年2月14日 15時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - おも、しろい!面白い!鬼ごっこで無惨がチート。みんな血気術使うとかチート。その中に1人だけある普通のこ、いや、体格6歳だから圧倒的不利な状況で逃げ切るとか凄いなぁ、おい!面白いです、投稿頑張ってください!応援してます! (2023年2月14日 15時) (レス) @page43 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほかほかごはん | 作成日時:2023年1月13日 23時