ななわ ページ9
「邪魔すんじゃねーよ半分野郎！！」
「今はそんなこと言ってる時じゃねえだろ」
ゲホッゲホッと吸い込んでしまった塵を吐き出す。あまりの苦しさに涙がじわりと浮かぶ。
咄嗟に氷結は免れたが爆豪の爆破をもろに受けてしまった。
おかげでテープ(峰田から奪ったやつ)もどこかに吹き飛ばされてしまったようで手元に無い。
ｰｰｰｰｰしかも目の前にいるのはA組の中でも1位2位を争うんじゃないかって奴等。くそ、間が悪りぃ。
「誤嚥性肺炎起こしたらどうしてくれんじゃ！」
「テメエまだ生きてたのかよ」
「俺ら友達だよな！！？」
ぶくぅ、とわざとらしく頬を膨らませ怒ると爆豪はケッとそっぽを向いてしまった。
次に乱入者に目を向ける。
双方色の違う瞳は俺を見ていて、どこか、背筋が凍る何かを感じてしまった。
「・・・お前の個性にかかるのも久し振りだな」
なんで、
「おっまえさぁ」
俺の個性にかかることに対して抵抗しねーんだよ。
懐かしい感覚を思い出すかのように薄ら笑みを浮かべる男に、無性に腹が立つ。
それは、まるで。
「俺の個性が効かないみてーな事、すんじゃねぇよ」
馬鹿にされているみたいで。
縦横無尽に襲い掛かる氷を避けながら、胸中を掻き毟りたくなる思いに駆られる。
俺の個性の欠点を理解しそこを突いてくる爆豪と違い、今の攻撃を見るに“当たればいいな”みたいなやり方。
ムカつく。
分かってねえくせに。
自ら個性に掛かるような真似して。
「馬鹿にして…っ」
「邪魔すんなっつてんだろうが半分野郎！！
俺はこいつとやってんの見て分かんねーのかよ！？」
「ああ、知ってる。
だがお前の方が不利に見えたからな。今は俺とお前は同じチームだ」
「不利だァ…？ふざけんな寝惚けてんならしねや」
「いや確かに俺の方が有利だったけどさ！」
「テメエは横から口出すんじゃねえころすぞ！！」
まぁ、お口が悪いこと！
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作者名：てぃ | 作成日時：2018年6月6日 18時
