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いちわ ページ3
「わ、また餌付けされてる」
食堂から帰ってきたであろう麗日ちゃんの第一声に僅かながらに顔を上げた。
「餌付けって、人聞きの悪い…」
恐らく麗日ちゃんの言う餌付けとは、俺の口元にポッキーを運んでくる切島のせいだろう。口元に運ばれてきたから食べる、当たり前の事だろ。
そしてまた運ばれてきた新しいポッキーをポキポキと頬張る。うま。
その時、突き刺さる程の鋭い視線。視線を辿らなくても誰だか分かる。
「切島ァ、1本」
「？」
「いや俺が食べるんじゃなくて、」
チョンチョン、と先端のチョコの部分で唇をつつくポッキー。意外と可愛いことすんね、切島。
差し出されたポッキーの袋から1本取り出し、切島にも食わせる。
「お前も食えよ」
「おう」
にこりとこの視線の源にいるであろう幼馴染みに、ここのところ見せていない笑顔を切島に向ける。
そんな、日常。
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作者名：てぃ | 作成日時：2018年6月6日 18時
