愛は故郷にありました。 (ページ40)

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ナースの体調不良1 ページ40

潤サイド

午前の診療が終わるまで診療所近くのビーチへ行ったり
街を歩いてみたり。同じ日本とは思えないくらい時間の流れが違う。

きれいなところだな、一体何度そう思ったかな。

時計を見ると13時前。そろそろ終わるころかな。

診療所までの坂道をゆっくりのぼると岩田さんの姿が見えた。

「リハビリ中？」

A「外に出て太陽を浴びて風にあたるととても気持ち良いんです。生きてるんだなーって。」

顔色も良く表情もだいぶ明るくなってる。大丈夫そうだな。
東京で退院させた日は何か思いつめたような雰囲気だったから本当に心配したけれど。

診療所のドアが開いた。患者さんかなと思ったらナースの清水さんだ。ゆみちゃんっていったかな。

岩田さんの様子を見に出て来たのかと思ったけれど、違うみたい。
すたすたとうつむきながら速足で歩いて診療所の裏へ向かっていった。

A「先生はいつまで島にいるんですか？退屈しますよ。」

岩田さんの近くまで行くと笑顔で話しかけてくれた。
こんなにリラックスして良い表情見せてくれたことなかったな。

「明後日くらいまでかな。担当患者さんの経過も順調だしね。」

A「本当にご迷惑とご心配おかけしました。ごめんなさい。」

「いいよ謝らなくて。人生いろいろあるから。身体だけじゃなくて心も元気になってきてるみたいで安心だよ。」

笑うとより一層美人だ。

ゆっくりと歩きながら診療所に戻っていく岩田さんの背中を見送り診療所の裏へ回ってみる。
ゆみちゃんのことが気になって。

「どうかした？」

しゃがんでるゆみちゃんの後ろ姿が目に入ってきた。
慌てて立ち上がる。

清「え？あ、いやなんでもないです。びっくりしちゃった。」

「あ、ごめん、驚かせて。何かあった？」

元気な笑顔のゆみちゃんとはちょっと違う感じがして気になる。

清「いえなんにも。私そろそろ行かないと、Aさんのお昼ご飯の準備があるんで。」

おどおどしながら前を通りすぎて行った。
と思ったらしゃがみこんだので慌てて駆け寄る。

「どうした？大丈夫？」

顔を覗き込む。

清「だ、大丈夫です。」

立ち上がろうとするも苦しそうな表情を見せている。

「無理に立ち上がらないほうが良いよ。どこか痛いの？」

清「Aさんのお昼ごはん作らないと。もう大丈夫なんで。すみません、ありがとうございます。」

辛そうな表情のまま駆け足で診療所に戻って行ってしまった。
具合が悪ければにのに言うだろう。