愛は故郷にありました。 (ページ37)

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主治医の診察3 ページ37

Aサイド

診察室から声が聞こえてくる。
会話の内容はわからないけど、ゆみちゃんがなんかキャーキャー言ってるような。
かわいい一面もあるんだね、って当たり前か。
お年頃の普通の女の子だよね。
ナースの格好をしているとすごくしっかりしてて信頼できて年下だと忘れちゃうことが多いけど。

和「A、入るよー。」

ドアがノックされる。あ、和くんだ。なぜかドキドキしちゃう。

「はーい。」

ドアが開かれて目に入ってきたもの。絶句してしまった。呼吸も一瞬確実に止まった。

潤「こんにちは岩田さん。びっくりしすぎて鳩が豆鉄砲を食ったような顔してるね。術後の経過観察に来ました。」

何を言ってるのかわけがわからない。

和「おーい大丈夫か？びっくりした？ってそりゃするか。」

「なんで？」

潤「それは俺が聞きたいよ。外来にも姿現さずなんでこんなところにいるのかってね。」

「あ、それは。ごめんない。」

潤「いいよ、よっぽどの事情があったんだと思うから。にのから連絡もらってね。いうこと聞かないわがまま患者さんがいるから見に来てくださいって頼まれたの。」

和くんに頼まれた？まだ事情が呑み込めない。

和「大学の同期だったのよ。びっくりでしょ？Aが手術した病院教えてくれたから問い合わせしたらなんと主治医が俺の同期だったってわけ。それに、なんど言っても内診させないから。わざわざ東京から内診しに来てくれたんだよ。わがままさんなんだから。」

東京からわざわざ。なんでいつもこんなおおごとになるんだろうか。。。

和「まだ熱下がり切ってないみたいだけど痛いところとかない？食事は摂れてるし歩行訓練もまあ少しはできたんだね。」

「身体だるいかなって思うけどそこまでしんどくないよ。お腹はまだ痛いのは痛いけど。」

潤「1か月くらいはお腹痛いの続くものなの。表面だけじゃなくて中も切ったり縫ったりしてるわけだからね。出血はどう？急に増えたとか真っ赤な血が出たりはしてない？」

「出血はまだ続いてるけれど真っ赤な感じじゃないです。」

潤「なら大丈夫だと思うけど、念のため診せてね。」

診せてねってことは内診するをするということか。

和「ここまでわざわざ来てもらったんだから拒否しないでよ。俺は退散するから。じゃああとはよろしくお願いしまーす。」

和くんは気を利かせて出て行ってしまった。

潤「じゃあ診ようか。」

パチンとグローブをはめた松本先生を見ると東京時代を思い出す。