愛は故郷にありました。 (ページ33)

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全力拒否ページ33

Aサイド

「嫌だって何回も言ってるー。」

膣の状態診たいから内診させてと何度も言ってくる。

和「だるいって言ったのAでしょ。それに結構熱も高いし。熱の原因見つけないと。」

「熱があってだるくて病院に行っても内診なんてしないもん。」

和「普通はそうだけどね。術後だし。もし感染起こしてたら厄介だから。念のため診せてって。」

「嫌だよ絶対に嫌だ。」

和くんに見られなくない。
というよりは和くんの前であんな格好できないよ。
お医者さんなのはわかってるけど、それでも無理だよ。

だって。
私、和くんのこと...
今までの感情と違う感じがしてる。

でも自分でもよくわからない。
島に戻ってきて優しくしてくれて。
でもそれは患者さんをケアしてるっていうことだろうから勘違いしちゃいけないって。

だけど毎日優しい言葉かけてくれて
頼ってくれって言われて、大丈夫だからなって言ってくれて。
そんな風に優しくされたら体もこころも弱ってるんだから私。

和「なあ聞いてるか？ぱっと見るだけだから時間もかからないし。」

「嫌だって。もう大丈夫だから寝るの。」

布団を頭まですっぽりかぶる。

和「わかったよ。そんなに嫌なら今は良いけど明日になっても熱下がらなくて他に思い当たる原因なかったらちゃんと診せてよ。寝る前に解熱剤飲んでおくか？」

「大丈夫。」

和「そっかわかった。じゃあゆっくり寝なさい。また何かあればすぐに教えてね。診察室にいるから。」

「ねぇなんでそんな優しくするの？患者だから？」

和「優しくないお医者さんなんて嫌だろ？」

「私が患者だから、和くんがお医者さんだから、だから優しいの？」

和「どうしたのA？俺のこと頼ってほしいっていつも言ってるだろ？」

だからそれがお医者さんとしてなのか和くん個人としてなのか知りたいんだよ。
でもそんなこと言えなくて。

これもきっと熱のせいだ。
眠ったらきっと変な気持ちも消えてるに違いない。

「おやすみ。」

和「うん、おやすみ。」

布団の上から頭をぽんぽんとしてくれた。

嬉しいんだけどなぜか胸がキューとなる。

私は和くんのことが好きなんだろうか。