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「今回のことは残念だったね。」
「私の油断が招いた結果です。そのせいで数名の隊員が命を落とす羽目に。」
「Aがひとりで背負うことではないよ。」
ああ、この人の声は何度聞いても聞き慣れない。フワフワと脳を揺らすようなこの感覚を、皆は心地良いと言うけれど。
先日の任務で隊員数名が死亡し、私が取り乱したことを水柱様の報告で耳にしたお館様は、後日、私一人を産屋敷邸に呼び出した。
「調子はどうだい？」
「はい。ご心配無く。問題ありません。」
「Aはこれまで死者を出さないよう尽力してきてくれたから、今回のことはかなり堪えたと思ったのだけど。」
「それは…」
見透かされている。やはりこの方は凄い人だ。鬼殺隊の長になるべくしてなっている、絶対的な人物。
「休暇が欲しいと思ったらいつでも申し出てくれて構わないからね。」
「いえ、その必要はありません。寧ろ、今まで以上に私に仕事を与えて頂ければと。それくらいでしか、私は恩を返すことが出来ません。」
気を紛らわせるためにも、強くなるためにも、任務をこなす事が一番だと思う。戦場に出て、鬼の頸を撥ねることで正気を保つだなんて、最早正気の沙汰ではないのだけど。
「そんなことはないよ。Aにはとても助けられているからね。お互い様だ。」
「有難きお言葉です。これからも定期報告は怠らぬよう尽力致します。」
「頼んだよ。」
「御意。」
お館様に頭を下げ、部屋から去ろうとすると、「そうだ。」とお館様が私を引き止めた。
「実弥とは上手くやっているかい？」
唐突に師範の名前がお館様の口から出たことに驚き、一瞬言葉が詰まった。
「はい。よく面倒をみて頂きまして、大変お世話になっておりますが…」
そう答えると、お館様はにこりと微笑んだ。
「そうかい。最近面白い噂を耳にしたものだから少し気になってね。」
「噂、ですか？」
「ああ。実弥とAが恋仲にあるという噂を小耳に挟んでね。」
「ちょっ？！お館様まで何を仰るのですか！」
くすくすと笑うお館様を見て、ハッと我に返る。
私ってばお館様になんて失礼な態度を…
「本当に元気みたいだね。安心したよ。」
「疑っていたのですね？！」
「引き止めてすまない。」
お館様の話が終わり、部屋から出る際にもう一度頭を下げ戸に手を触れると、お館様が再び口を開いた。
「A、君は私の大切な子どもだよ。」
私は頭を下げたまま、戸を引いた。
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瑠璃瑚(プロフ) - 釈迦様さん» お恥ずかしい変換ミスです…作中一通り見直して訂正はしたのですが、まだ直っていない箇所が有ればご指摘頂きたいです。 (2020年2月19日 20時) (
レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» なんとお優しい、、ありがとうございます！>< (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦様 - 師範が市販…°。:(°ε°)ﾌﾞﾌｯ! (2020年2月17日 0時) (レス) id: bccea59c19 (このIDを非表示/違反報告)
しらとぅ(プロフ) - 瑠璃瑚さん» いえいえ！誰でもミスはありますよ！これからも頑張ってください！ (2020年2月8日 20時) (レス) id: 785ac6cfee (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» ご指摘ありがとうございます！お恥ずかしい変換ミスをしてしまいました、、>< (2020年2月8日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃瑚 | 作成日時：2020年1月11日 14時
