飼い犬に手を噛まれる【不死川実弥】

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俺とAの関係

まさか不死川がそんなことまで気にし始めるとはな。いやぁ、派手に面白くなってきてんじゃね？


俺とAの関係、強いて言うならばAが俺をある意味で特別扱いする理由。それを不死川に話してやれば、奴はぽかんと口を開けて呆気に取られている。



「俺とAはただの上官と部下って関係だ。ちなみに、夜這いの実技までは見てやれてねえが、知識だけは叩き込んでやったから、いつか機会があるかもしれねえな。」

「テメェ！人の弟子に何やらかしてんだァ！！」

「あァ？そん時はまだお前に弟子入りする前だっての。関係ないだろ？」



ちょっとからかっただけでこれだ。何だぁ？可愛い弟子のこととなると冷静さを欠いちまうってか？



「んで？あいつとの同居生活はどうよ？」



お兄さんとしてはそちらの話が聞きたいんだよなぁ。生活を一緒にすれば関係も一気に進展するだろ。まどろっこしいのは面倒だし派手じゃねえ。



「どうもクソもねェ。今までと何も変わりゃしねェよ。」

「は！？本気で言ってやがんのか！？」

「こちとら大真面目だァ。何か文句でもあんのかコラァ。」



カーッ！こいつらまじかよ。もう舞台は整ってんだろーが。それとも阿呆なのか？



「派手じゃねえなあ。」

「うるせェ。」



ボーッと遠くを見つめる不死川を見て、なんとなく、こいつが何を考えているのか察しがつく。



「大事なものが増えるのが怖いか？」

「ッ！！？」



ハハ、こりゃ図星だな。



「傍に置くか遠くに置くか、世の中そこら中危険だらけだぜ？なら、傍に置く方がよくねぇか？」



とまあ、そこは各々の考えがある。押し付けるものでもねえが。不死川が何を望んでいるのか、そこは明確には分からない。



「お前はAが好きなんだよな？」

「ばっ、おまっ！いきなり何言いやがる！」

「確認作業だ。」



嫌いではないだろうよ。そんなことは見るからに明らかだ。不死川のAを見る目と言っちゃあ、それはそれはもう優しい目だ。一方のAは…あれはあれで不死川のことをいつも見てるな。



「何度も言わせんじゃねェ。あいつは妹みてぇなもんだ。俺はAにそういう感情は抱いてねェしあいつが俺のことをそう思うこともねェよ。恋仲になるなんざあり得ねェなァ！」



これは時間がかかりそうか？直ぐにどうこうってわけにはいかないな。




不死川。

俺は本気でAにはお前がいなきゃいけないと思ってんだぜ。

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