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一つ目の任務を終え、私たちは次の任務へ向かう前にと藤の花の家紋の家にて一時休息をしていた。
「悪かったって犬飼!もうからかわないから勘弁してくれえ!!」
「いいえ許しません!私が受けた恥、屈辱、その他諸々、その身をもって反省してください!!」
ヒイヒイと苦しそうな声をあげる村田さんの上に跨り声を荒げる。
「はいあと50回!」
基礎筋力向上訓練の刑だ。
「うわぁー、えげつな…」
「ちょっとそこの君?!なに人事みたいに見てんの?!君も一緒にやるんだよ!」
「なんで?!俺何もしてないのに!!」
「何もしなかったからでしょ!先輩を止めなかった刑だよ。」
「理不尽!!」
今回が初任務だという新人隊員も巻き込んで、最終的には全員で稽古をしていた。あれ?休息するために藤の花の家に来たんじゃなかったっけ?なんでこんなことになってるんだ?
後日の任務も問題なく終わり、死者も重傷者もなく私たち一行は帰路についた。
「それじゃあ私はお館様のところへ報告に行くから、みんな気を付けて帰ってね。」
全員ぐったりとしている。特に村田さんは。そんなに今回の任務は大変だったかな?白目をむきブツブツと念仏を唱えている隊員までいる。
「初任務お疲れ様!疲れたと思うからしっかり休むんだよ?」
疲労困憊といった様子の新人隊員に声を掛けると、ギョッと目が見開かれ、腕に強くしがみつかれる。
「Aさん!Aさんのおかげで、生きて帰ってごれまじだ!!俺、もっど強くなりまず!!」
泣き崩れる新人隊員を見て、私は彼と視線が合うようにしゃがみその頭を撫でた。彼は任務中、鬼に背後を取られあの世へと片足を突っ込みかけたのだ。間一髪のところで私が攻撃を防ぎ事なきことを得た。
「よく頑張りました。また一緒に稽古しよう。そして、一緒にもっと強くなろうね。」
「Aざん゛…!」
「えっ?!まだ泣くの?!ちょっとちょっと君泣き過ぎ!えー!どうしよう!私が泣かしたみたいになってるじゃん!!」
困って周りをキョロキョロと見回すと、また村田さんが私のことをあのジト目で見つめている。
「こりゃまた犬飼党が増えるな。」
「は?犬飼党?何それ。それより彼どうにかしてください!」
「へいへい。」
村田さんは新人隊員を私からベリッと引き剥がしてくれた。さあ、お館様のところに行かなくちゃ。
「風柱様も大変だな。」
村田さんの言葉は、私には届いていない。
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瑠璃瑚(プロフ) - 釈迦様さん» お恥ずかしい変換ミスです…作中一通り見直して訂正はしたのですが、まだ直っていない箇所が有ればご指摘頂きたいです。 (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» なんとお優しい、、ありがとうございます!>< (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦様 - 師範が市販…°。:(°ε°)ブフッ! (2020年2月17日 0時) (レス) id: bccea59c19 (このIDを非表示/違反報告)
しらとぅ(プロフ) - 瑠璃瑚さん» いえいえ!誰でもミスはありますよ!これからも頑張ってください! (2020年2月8日 20時) (レス) id: 785ac6cfee (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» ご指摘ありがとうございます!お恥ずかしい変換ミスをしてしまいました、、>< (2020年2月8日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃瑚 | 作成日時:2020年1月11日 14時