第136話「対重力遣い」ソル ページ44
「援軍はたった二人か？見縊られた話だぜ。」
「探偵社は事前予約制でねェ…。対応が不満なら余所を中りな。」
そう云うと大きな溜息を吐いた彼に、与謝野先生は挑発するような笑みで答えたのを、僕は横目で見る。
「マフィアが敵拠点で暴れるのに予約が居ると思うか？」
与謝野先生の挑発に、彼は
「はい！要らないと思います！」
元気よく手を挙げてそう云ったのは、他でもない……賢治君で有った。
僕は苦笑いし、与謝野先生は溜息を吐く。
「……賢治の云う通りだよ。暴れたいなら好きにしな。」
「けれど、貴方は暴れに来たのではない。敵拠点攻略には部隊が半端だし、何より貴方なら僕如き直ぐに殺せる筈だ。……時間稼ぎと分かっていてそれに乗った。……違うかい？」
「……ほう？何故そう思う、ソル？」
与謝野先生の言葉を引き継いだ僕は静かに、そう云う。
……と、彼はニヤリとしながら、そう僕に向けて言葉を発する。
「僕は只の勘……否、経験、かな。」
「……ほう？」
「ウチは探偵だよ。ソルだって新人とはいえ、その端くれだ。訪客の目的位一目で見抜けなくてどうするンだい。」
与謝野先生は目を伏せ乍ら、挑発する様にそう云ったのだった。
彼は少し肩を竦めると、「お宅の社長は？」と問いかけた。
「うちの
そう云って彼はカメラに向けて一枚の紙を取り出した。
その紙に写っていたのは……＿＿＿＿
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作者名：業猫 | 作成日時：2019年7月10日 12時
